01Blog / ソロスの再帰性理論はスケールする起業の世界を表している!?

2016.02.07

中国のハードランディングのコメントをした著名投資家のソロスですが、2007年に「ソロスは警告する」という本を出しています。なかなか面白い本で、バブルの事を色々説明しています。その中で面白いのが「再帰性理論」。この解説はありますのでこちらこちらを参考にされてください。

この考え方は起業にも当てはまるなー。と思いました。日本では孫氏の兵法は経営で良く引用されます。この中に、例えばこんな言葉があります。

  • 兵は詭道なり
  • 百戦百勝は善の善なるものに非ず


有名なのでご存知な方も多いでしょう。解釈はそれぞれですが、簡単にいえば、真実がどうか?もありますが、実際には相手(競合を含めたステークホルダー)にどう思われるか?が重要であり、戦わないで相手に戦意を喪失させるのが上策であるということでしょう。少し違いますが、ジョブスさんもこんなことを言ってます。

絶対にマネのできない、マネしようとすら思わないレベルのイノベーションを続けろ。

つまり、真似しようとしないレベルの事をしろということですね。これも少し孫氏の兵法に似てます。ソロスの意見をそのままいうと、自然科学自体は答えと真実は一つに定まるかもしれないが、社会科学は人間の意向で変化するので、正解は一つに定まらず「人間は常に間違っている」事を前提に考えるということです。仮に「真実」があったとすると、その「真実」自体が人間の期待値で動く的のように移動するということですね。これは面白い考え方だと思います。

経済学で言うところの市場は常に正しいという考え方と対峙しています。人には「認知」つまり、真実を理解しようとする力と「操作」何がしかの意志をもって市場等に影響を与えたいと思うということで、主観が必ず入るので真実は必ずしも正確に理解できないということです。

さて、ちょっと回りくどいですが、何が言いたいかというと「調子良い!」「うちはイケている!」という話をしていたら実際に上手く行きだしたというケースは多々起業では見られます。具体的には、あそこはイケているという良い意味での勘違いを周りにさせて、その分、契約を取れたりという感じでしょうか。もちろん、行き過ぎれば「バブル」となり壊れてしまうのですが、「操作」という概念は起業では一定上必要だと思うのです。特に日本人の場合は真実は一つに決まるという考え方をしがちです。あまりにもかけ離れた事を言うのはともかくとして、市場の雰囲気を作り出していくというこのソロスの「再帰性」を活用した雰囲気作りは起業では非常に重要になると思うのです。

多分、人間社会の持つ「再帰性」の特徴が下記を創るのだと思います。

未来は知りえない、しかし自ら創る事はできる。成功した人・企業はすべからく、自らの未来を自らの手で創ってきた by ドラッガー

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