01Blog / 求められる人材が変わり、その目利き能力が重要になってきている

2016.03.25

米ハーバード大、入試から学力テスト“追放”へという非常にショッキングな記事が目に付きました。米国のトップ大学で読まれている本と上位概念に関してもここにまとめてあります。ハーバードの全て、米国トップ校の全てが世界で最も優れているわけではないでしょうが、老舗の大学が新しいチャレンジをどんどんしてくることには驚かされます。特にハーバードビジネススクール(HBS)では国際的なプログラムのFIELDや10-15年以内にHBSの50%の卒業生が起業するなど先進的であることは否めません。大いに見習うところがあるでしょう。

最初の記事では入試から学力テストを選択制にし(理系などの学部は別として)、より、社会的な活動の評価をしていくということですね。高所得な層の方が学力テストに関してはお金をかけられる分有利な点はあるでしょう。この背景の一つには米国における所得格差の拡大もありそうです。

これと同時に幾つかの空想ですが、求められる人材が変わってきているように思えます。

正しい野心を持った人材がより重要に

これは起業すればわかりますが、一人でできることは限られます。特に大きな成長性のあるビジネスを創るには創業者は複数名の方が成功率が高く、チーム全体としての勝ちを自分の勝ち(その方が結果的に大きな成功となる)正しい野心を持った存在が必要になると思えます。学力テストだけでは社会性に疎く、自分だけが勝てれば良い、結果的に大きなビジネスを興せない人が少なくなる方向に繋がる可能性は確かにあります。

ダイバーシティ人材がより重要に

2016のベンチャーキャピタルトレンド10を前にまとめました。簡単にいえばダイバーシティが大きな事業を創造するには更に重要になります。お金持ちで学力の高い教育を受けた子供はある一定の傾向があると思います。他方で、所得が低くても、社会で活躍していた存在と組み合わせることでより社会に価値を提供できる強いコミィニティができると思えます。

本当の天才が求められる

さて、これが学力的なものなのか、プログラミングなのか、社会的なものなのか、創造なのか、天才の方向性は様々でしょう。学力がある事自体は地頭が良い証拠ですので悪いことではない。ただし、天才には先天的なものもあるでしょうから、ある一定の確率で出てくると思います。その場合、網掛けの範囲を大きくした方が有利です。学力的に高いことが悪いわけではない。但し、それだけで評価すると、どうしても取りこぼしが出てくるということです。最初のブログにも書かれておりますが、入学後はビシビシ行くと。つまり、その後はふるい落としますよと言っているということかと。

「人」を見ている・「人」を見る能力を備える

私は学力が関係ないとは思っていません。寧ろ高いほうが良いでしょう。しかし、それだけでは足りないということなのだと思います。少し違いますが、TechStarsの話を思い出します。世界トップクラスのアクセラレーターであるTechStarsではビジネスプラン(≒学力)の提出を不要と言っているのです。つまり、「人」を見ているのです。イノベーションは「人」からしか生まれません。そして、それを実行できる正しい野心を持った天才、あるいは自分は天才ではないとしても、自分よりも優秀な天才をまとめられる能力を持った「人」が重要なのです。

もう一つは、その「人」を学力以外の方法で評価、発掘する組織側の能力です。

例えば、ヘンリー・フォードは学歴は無かったが(実際には相当の能力者と思いますが)、自分が知らなくてもそれを知っている人に直ぐにコンタクトする術やネットワークを持っていたと読んだことがあります。つまり、求められる人材は今まで歴史上一度も無かった世界においては確実に変わってきており、この変化に世界のトップ校であるが故にハーバードは既に気付いていると思うのは私の空想の産物なのでしょうか?

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