01Blog / 企業がStartupとの付き合いで気をつけること「給料をもらっているかどうか」

投稿者:Goda George
2016/04/15 07:57

2013年の頃に書いたブログをリバイズしてみます(今も貧乏ですが、当時の心境が分かりますね・・)。企業の方がベンチャー企業と付き合う場合に気をつけることです。

給料が振り込まれないということ

学生からずっと起業しているような人は違うでしょうが、サラリーマン/ウーマンを辞めて起業した人が最初に感じることの一つに給料が定期的に振り込まれないというのがあります。かなり前に独立した人から「給料が振り込まれないんだよね」という事を感慨深げに語られた時はわかったようなわからないような遠い世界の国の話のように感じたのを覚えています。

人間は経験したものしか実感できないと考えると、この給料が定期的に振り込まれないということは頭ではわかってもサラリーマン/ウーマンしか経験のない人にはなかなか実感としてわからないものです(01Boosterは3年無給)。結論を先に言えば、絶対に給料が振り込まれない状態を経験しなければ(配偶者の収入がある場合等を除いて)このなんとも言えない気持ちは味わえないですね。

人生は一度っきり、是非、味わって欲しい。必ずしも不味くはない。

なんというか、特に「今日死ぬわけではない」でも、流石に「先」は見える。そしてその「先」に答えがない。このような状態で意思決定するのは社内起業とは根本的に起業が異なること、そして創業系とベンチャーにジョインする後続の人が分かり合えないことの一因です。

企業の人が気をつけること

このため、企業にお勤めの経験しか無い方が起業している人と付き合うときに最も気を付けたらと思うのが「相手は給料をもらっていない」ということかも知れません。そのような中での意思決定は経験がない人が分かった気になるのは非常に危険だと思います。創業まもなくや、まだ十分儲かっていない場合には、その起業している人、あるいは創業のメンバーにとってはお勤めの人と会議をしているその時間が「お金になるかも知れない可能性」の時間であり、漫然と過ごしても、前向きに過ごしても給料が振り込まれるのと違って、何かで稼がない限りには生活ができないのです(日本は機会が平等である反面、この問題があります)。

逆に仮に生活に困っていなくても先に書いた通り、機会の時間になります。行動するかしないかで、そもそも成功する起業家は行動力が半端ない(または行動する人と組んでいる)。この差は残念ながら会社の方とは歴然と違います(会社の人がサボっているとは思いません「違う」のです)。

お金が減っていくという頭がボーっとする経験

もちろん、資産を持っていたり、過去に成功してお金に困っていない人も居るでしょうが(そういった意味では日本以外での特にアジア圏は財閥のご子息さんが起業している場合も多いので、起業家は苦しいと安易にステレオタイプにしてはいけないという場合も多いのですが)。  最初の赤字期には起業家の方は貯蓄、調達、借り入れ、様々な形があるでしょうが、時間とともに「補充されずにお金が減っていく」という状況を経験します。この状態はなんとも不安なものです。特に家族がいる人は格別でしょうねぇ。娘の寝顔を見ながらなんともやるせない気持ちになるのです。

なんとか学校を卒業したら後は、自分をターミネートすれば。。というような、まぁ、もう、そういう感じですね。

ただ、絶対ネガティブになったら勝てない。明るくならないと勝てない。最近は良くセミナーをしますが、このような話をすると、会場のそういう状態の起業家と目があった瞬間に分かり合います

(例は悪いが)一杯のかけそばならぬ、320円というもの

例えば、私も大企業の時は当たり前のように小さい会社やベンチャーを呼んでいたと思います(場合によっては取り合いもしなかったが。。また企業の方はそこまでベンチャーとの長期関係を考えませんので悪気なく情報入手に使ってしまいます。もちろん、これは起業家側も非難しても無駄で、そういうもんだと最初から分かって合理的に付き合うしかない、良い人も多いですから)、相手にとっては交通費もお金を減らしていくものである。都内のベンチャーさんが都内で会議をするのであれば、往復、320円程度の交通費、会議時間も一時間、全部で2時間程度、ではあるのですが、辛いと感じることもあるものです。この気持は会社を辞めて創業に携わってみないとなんともわからないものかも知れないので、企業にお勤めの方にわかってもらうことはできないかも知れませんが、一つ、このような細かいことも含めて、企業内起業と独立創業とは精神状態の部分も全く異なり、意思決定にも強く影響を及ぼすと知っているだけでも良いかも知れません。

起業側は人間不信になる部分もあるでしょうが、そんなもんだと思って行動すること(優秀な起業家はそんな状態でも当然機会を取りに行く。環境のせいには絶対にしない)。企業側はそういうことを頭に留めておくというレベルの解決策にはなるのですが・・もちろん、そんなに起業が暗いわけではありませんし、楽しいものでもあります。

つまり、意思決定における立っている場所が「創業者」と「ベンチャーの社員も含め会社員では全く異なる」こと、また、理解することは無理である(理解できないならばどうするか?という一段大人の対応をする)ということが重要だと思います。

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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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