【01Blog】コワーキングスペースの運営に関して:つづき

投稿者:Goda George
2013/11/13 16:29
鈴木さんの方から01Boosterの仮説検証ということで2つのブログが出ているので、参照していただきたい。  我々01Boosterはコワーキングという言い方をせず、シェアオフィスという言い方をしているのですが、シェアオフィス=ブース型のレンタルオフィスと思う人も居ると思うので、コワーキングとして話をした方が相手からはわかりやすいかも知れない(ここではシェアオフィスと以下言う)。最近は、続けざまに数件のスペース運用のご相談を頂いたので、1年半ほど運用してきたので私の思うところもここにまとめておく。 ■01Boosterのスタイル 元々、01Boosterは「コワーキング」(≒ 共に業態の違う人達が働く、共働 Wikiの定義による)というコンセプトというよりは新規事業を興す上での場という考え方が強い。私の経験上、インキュベーション(起業家支援)というものはWillとしては素晴らしいのであるが収益的に独立系が実施するのは厳しいので継続性が難しいということは知っている。このため、できるだけ企業の新規事業に難があることは良くわかっていたので、そちら側に寄せたいという気持ちがあり、企業の新規事業を創るための場であり、そこに起業家もということができれば一つの理想形である。起業家は企業で働くのを好かない人も居るであろうが、会社がスケールするためにはBtoBの要素はおよそ必要あり、ゲームやレストランなどCがお金を払うことが明確なビジネス以外は、BtoCに見えても多くはBtoBまたはBtoBtoCの場合が多い。最近はこの企業の新規事業への関与の流れがだいぶ動いてきたのはありがたい話である。さて、話がずれてしまったが、シェアオフィスの話に戻りたい。ここでは、「独立系」がベースになる。 ■オーナシップを持った運営者が複数居るとありがたい シェアオフィスを始めるときに一人で始める人も多いであろう。しかし、そのものだけでは収益性が高い事業ではないので、果たしてROIが合うのか(実際に、社会インパクトのあることをやろうと思えば他に沢山あるので)ある程度Willやボランティア的な要素も特に初期には大きい。このため、一人は辛い。できるだけ多くのオーナシップをもった人が初度に居ると良いと思う。収益性が高くないということは、ゴミ捨て、お掃除、コピー紙の補充、イベントをやれば飲食の手配からゴミ片付けまで、庶務&用務員的な要素も大きい。十分給料が出ている状態なら用務員だろうが庶務だろうが大歓迎であるが、特に収益性が高くなく、ボランティア要素が高いとなると、他に同じようなことをやってくれたり、ゴミ片付けをやってくれる存在は大きいのである。そういった意味では、運営者の私は旧 IT Startupの時代からイベントのゴミ片付けの帝王であり、運営者の鈴木さんもゴミ片付けのスペシャリストである(掃除機がけは得意ではないようであるが)。 ■運営者は別に仕事を持っている コワーキングに関しての米国のアンケート結果が有り、2つだけ私としての要点をお伝えしたい。ひとつは運営者の74%は別に仕事を持っているということ。もう一つは、仮にコワーキングという業態の場合、60%が席貸しの収益であることである。会議室やイベントスペースとして物理的な場所を貸し出して収益を上げている例も多いが(逆にここは大いに考えたほうが良いかもしれない。但し、それを管理する運営コストとのROIの比較であるが)、イベントなどは収益の柱にするにはかなり難しい部分がある(非常にばらつくのと、先のROI的に合うかが不明)。我々運営者も、一人は教育や企業向けでの新規ビジネスの立ち上げを狙い、私自身も海外展開系でメディア運営、人材活用、海外展開のプラットフォームをどう創るかに日々頭を悩ませている。これは、人にもよるであろうが、01Boosterを実施しているのは、「共働」というよりは、「自他共栄」に近い、お互いにビジネスを繁栄させる広義のアライアンスネットワークに近いかも知れない。そういった意味では、そもそもシェアオフィスを始める運営者が何をしたいかにもよると思う。シェアオフィスそのものでは収益性が高くは無いので、トントンぐらいで済ましてしまうか(ただ、一つ気をつけて欲しいのが参入障壁が低いのでポンポン参入してくるので競争環境にさらされるかも知れない)、では、そこから何をするのか?という視点が必要になると思う。 ■不動産屋さん(オーナ)との関係 半分はここに尽きるかもしれない。いかに素晴らしいビルオーナを見つけるか。オーナにご協力&応援願っている状態はたいへん助かるのである。もちろん、お世話になっているばかりではいけないので、01Boosterはこの点でも「自他共栄」できていると思っている。よって、シェアオフィスを新しく始める人はまずは良い不動産オーナを見つけらることが最初の一歩である。 ■ロケーション 赤羽橋(または神谷町)の近くにある01Boosterは場所的には渋谷などに比べると知名度は劣るかも知れない。そういった意味では最初は場所は正直不安であった。逆に今は赤羽橋でありがたく思う。人により場所のニーズは異なる。コンテンツであれば秋葉原はブランドである。通勤のことも皆さん考えられる。渋谷は場所が良いが激戦区。赤羽橋といえども、六本木の直近で客観的には相当場所が良い。ドロップイン的なニーズを考えなければ、結局、周りに沢山人は住んでいるのだというのが結論である。 ■世話やきは必要か? ここは人によるであろう。もちろん、コワーキングでサークル的な人の繋がりを大切にしているところもあり、素晴らしいことである。一方、全てが新規事業&起業家的な環境であると、まったくクルーに悪気は無いのであるが、皆でまとまって何かをという余裕は無いかも知れない。なので、人的つながりに関しては、「好い加減」というところである。これは、入居者の属性や個別のニーズに大きく左右されるであろう。 ■地方でやるのであれば これは難しいところである。東京には少なくとも値段はともかくシェアオフィス・コワーキングの物理的ニーズが確実にある。オフィスが高いからだ。空室率は高くても、実際にオフィスで借りるとなると保証金も含めて非常にStartupには障壁が高い。一方、大阪でもそこそこ安く個室オフィスが借りられるし、地方になると、個室はともかく、物理的にスペースを必要とするニーズは東京ほどは高くないであろう。このため、何か人が集まらなくてはならない理由が必要になると思われる。場所があれば「使いたい」と皆は応えるであろう。しかし、実際に使うとは限らない。例えば、イベントもそうであるが最初は人も来てくれるが、イベントも続くと同じ人は何か強く聞きたい内容で無いと来なくなる。つまり、来る理由が「Needs」の状態では地方は厳しいかもしれない。「Wants」に変える必要があると予測している。何がしかのプロジェクトを回す、業態特化でまさに自他共栄のコワーキングを創るなど、それぞれの状況に合わせて業態を変えていく必要があるであろう。 01Boosterでは、地方のコワーキング/シェアオフィスの方々との自他共栄も歓迎しております。
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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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