【01Blog】大企業からStartupで学んだこと(2)「CEOとそれ以外の違い」

投稿者:Goda George
2013/11/26 16:23
私はこのトピックを語るには相当役不足であり、そうだろうという入口的な話になる部分をご了承頂きたい。 社長と副社長の差は、社長と平ぐらいに違うという話もある。そこまでの差は無いかも知れないが、CEO(最高意思決定者とすると)とそれ以外の差は大きい。また、多分、起業というものを学んだり、色々な形で携わったりしても、私が思うに最もつかないのがこのCEOの「筋肉」ではなかろうか。こればっかりは後で(CEOになった後に)何かに関して学んだことが役に立ったり、レバレッジになったりもするであろうが、CEOにならない限りは一生鍛えることのできない「筋肉」であろう。 基本的に会社の権利や株の割を二名、または複数名で等分で作ったところでうまく行った例を聞いたことが少ない。訴訟レベルまで揉めているケースも「稀」ではなく、周りにいるレベルで存在する。つまり、答えのない、最終の意思決定というのはどんな場合でも難しく、ここは独裁ではないと(特に初度の頃は)厳しい。合議制ではうまくいかないのだ(特に日本人は民主主義、多数決への信望が厚いので注意がいる)。私もここは最初のStartupを通じてこう決めた。「自分が仮にセカンドであれば、基本的に、CEOの言うことには意見はすれど反対はしない」。 嫁姑問題で、外に敵を作れ!という話を聞いたことがある。CEOはとかく非難されやすい。「方針がわからない」「会社の提供価値はなんだ?」「意思決定が遅い」「直ぐに決定が変化する」などなど。しかし、実は批判するのは簡単だ。前のIT Startupで、CEOはよくこう言っていた。「批判をするのは構わないが、アイデア、代替案を持ってきてくれ」と。 CEOの意思決定は、僕は医者が自分の体をうまく診察できない状態に似ていると思っている。人のことはとやかく言えるし、しっかりしている人が、リーダになったら、あれ?という状態になったのを多かれ少なかれ見た人も多いだろう。 私が参加したIT StartupのCEOの意思決定は(VC等から調達している)今考えると単純であった。「株主価値を最大化すること」。これだけである。全てにおいてこの非常に基本的なことに集中していた。MBA系の人ならば誰でも知っている原則なので、当たり前と思うかも知れないが、実際にはこれを実行するのは非常に難しい。従業員はそれぞれに意志も持つし、終身雇用ではないので、一般企業のように、そこまで周りを気にしても動かない。株主価値は必ずしも従業員価値とは(特に短期的には)リンクしない。CEOといえども情がある。でも短期的な情に流されず、冷徹に現実主義で意思決定をしていくのは至難の業で、実際にはCEOの経験のない人はほとんどできないのではないかと思う。そのIT StartupのCEOも若く、学生起業からだったが、ことStartupの経営という観点では10年選手である。簡単に言えば10年間「筋肉」を鍛えていたのだ。50歳だろうが60歳だろうがCEOをやっていない人はこれに(CEOの能力に)きっと勝てないのだ。 CEOになってみると分かることは、皆さん言いたいことを言う。確かにそれはよく分かる。課長、部長が会社で色々批判されるが、なってみると、部下の言うことはわかるが、、という経験をした人も多いであろう。これに似ている。 儲かるかどうかも、未来がどうなるかも分からず、ネガティブな物言いはできず(基本的にCEOはネガティブな言い回しはNGだと思う)、頭の上は青空。理想もわかるし、正論もわかるが、リソース、足元のマネタイズなども考えると、下から見ると、「意思決定が遅い」や「考えていない」となる。およそStartupのCEOはよく働く、お金の調達だって自分個人のリスクだ。ここまでやって批判されるのであるからたまらないであろう。この過酷な状態でどのように意志決定を研ぎ澄ませていくか。これがCEOの醍醐味であり、経験なしには鍛えられない「筋肉」を持つ所以であろう。
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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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