【01Blog】大企業からStartupで学んだこと(7)「差別化とイノベーションという罠」

投稿者:Goda George
2013/12/02 16:56
このサービス(製品)は技術的にどこが差別化か?優れているのか? 企業に務めていてもメーカだったりでは必ずこんな会話になるであろう。特に日本のお客さんを相手にしていると、例えば、この掃除機の性能がここが優れていて・・ この製品は特性が・・機能が、といったことは日常茶飯事である。イノベーションという言葉も皆大好きだろう。「イノベーション」が必要だ! でも、本当にそうだろうか? 私も元々メーカの研究所に居たりしたので、頭の中には「イノベーション」「技術革新」「差別化」というのが当たり前のようにある。スマートフォンの広告サービスを始めたStartup企業にてビジネスプランコンテストでこんな会話があった。 発表者(A) 発表者:「この技術はここに差別化がありまして〜」 司会者:「おーすごいですね!」 当時のIT Startup 司会者:「あなたのサービスの優位性は?」 発表者:「えーっと、開発者の人とBBQ行ったりー、呑みに行ったりー。」 司会者:「・・・、なるほど、しかし他のサービスに比べて、金の匂いはしそうですね・・・」 コンテストでVCさんとの会話・・・ VC:「技術的優位性は?」「性別とかそんなので色々広告の出し先を変えられるとか?」 発表者:「いや、そういうのではなく、開発者との人間構築・・」 VC:「へ?なんもないの、単なる配信か〜」 私は、VCさんも司会者の人のコメントももっともだと思った。差別化、技術が必要だ! でも、本当にそうだったのだろうか? エマージングな市場であれば、広告に関しては、スマホの画面の一角を押さえる不動産ビジネスに似ている。できるだけ先にパブリッシャー(アプリの提供者)を押さえてしまって、「土地」を手に入れる。後は勝手にスマホは伸びるわけであるからその「土地」の値段が上がるのである。では、その土地をどう押さえるか?というと、導入期は「人間関係」である。いかに開発者と仲良くなって「土地」を頂くか。技術的な差別化ではなかったのである。なので、当時のCEOは本質を捉えていたことになる。 もちろん、VCさんにしろ差別化やイノベーションを求める気持ちは分かる。一方、勃興する途上国のような市場にはそこまですごい差別化やイノベーションは不要な場合も多い。ベタな営業が重要なことの方が多そうである。技術の差別化が重要である市場もあるであろう。また、日本人はとかく(最近は特に停滞市場を相手にしている人が多いので)この差別化やイノベーションの罠にハマっているかも知れない。 そもそも、その市場で勝つためには何をしたら良いのか? この本質を見抜く嗅覚が必要だ。これがまさにCEOの筋肉なのである。
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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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