【01Blog】アフタースクールビジネスの教科書(2)

2013.12.10

前回(1)ではアフタスクールビジネスの定義を整理しました。(1)から時間が空いてしまいましたがのんびりいきます。 明らかに、アフタースクール業界(≒民間学童保育業界)は期待値が経済実態を大きく乖離して大きくなっており、 ここ2~3年の大量参入はもはや市場の需要適正量を超え、バブルエコノミーの様相を呈していると思います。 直近の主要プレイヤーを整理してみました。このプレイヤーがほとんど過去2~3年で参入しています。 そして、高付加価値(高価格)サービスゆえ、限られた好エリア好立地の奪い合いをしております。 現時点でポテンシャルのあるエリアはこれから1~2年で参入が完了すると思います。
民間学童保育プレイヤーマップWinter2013 from Norifumi Suzuki
では、なぜこんなに大量参入しているのでしょうか? 各社に合理的な意図があるのですが、敢えて視点を変えて、各社の思惑のようなものを考えてみたいと思います。 ①待機児童問題、公教育への疑問などの社会課題が背中を押している 通常、企業(特に大企業)は経済合理性のない事業には参入できません。そして保育事業などは経済合理性に欠ける 代表選手のような事業です。 時として、社会的課題の解決が社内において、経済非合理性の免罪符になることもあり、学童保育事業はそうとらえて もいい。 よく聞くのは「この事業は単体で利益が出なくても、グループ全体で価値が出ればいい」のような扱いをされることが多 く、経済合理性を超えた意思決定をされることが多いです。 とはいえ、全体合意というよりは、特定の経営者の強い熱意や思いで意思決定されるケースがほとんどなので、経済 性へのプレッシャーは後々事業責任者が一身に受けることになります。 ②新規事業のネタが探せない 各社失われた20年を経験し、新規事業開発をせず得意な事業への集中戦略をとってきたため、新規事業開発 ができる部課長クラスの中核人材が大企業を中心に少なくなっています。 もちろん、新しい事業を創ろうという社風や、そういうマインドをもった社員がいる大企業もありますが、相当稀有 な会社だと思います。(これに反論はあまりないと思うんですよね。) このアフタースクールビジネス(≒民間学童保育ビジネス)は、元々各社の新規事業案のテーブルに一度は乗っ ており(当然、多くは却下されている)、お蔵入りされているものも多いはず。 その中で、キッズベースキャンプという多店舗展開できている先行事例が生まれたというのが大きくて、新規事業 案件に枯渇している各社は、その勢いに追随して蔵出し参入してきているということだと思います。 ③集団心理 あとは単純に市場が盛り上がり、競合各社が参入を始めることに単純に焦っていることもあると思います。今入って おかなければ取り残される感が背中を押しているんだと思っています。、とはいえ、このようなバブルがいずれ本当の市場を作ることも考えられ、そういう意味では大手が参入せざるを得な いとも言えます。 いずれにせよ。市場ができるがる瞬間を俯瞰できているというのは大変貴重な経験です。 次回は戦略ストーリーについて整理したいと思っています。いつになるやら。

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