【01Blog】インキュベータというジレンマ・起業サポートの現場から

投稿者:Goda George
2014/04/17 21:48
インキュベータになりたい。あるいはインキュベーション機能を持ったコワーキングスペースを運営したい。企業でインキュベーションを実施したいという声は昨今の起業ブームも手伝って01Boosterにも多くの相談が来ます。 コワーキングスペースに関しては、過去にブログがありますので、その記事を参考にされてください。その1その2 もちろん、ファイナンス部分を扱うなど場合にもよるのですが、一般的に起業家をサポートして起業家からお金を取るというモデルはマネタイズが難しい(海外のように財閥の息子が起業をするわけではなく、一般的に日本の起業家は初度には特にお金が無いですから)傾向があります。 但し、Starupは動きが軽く意思決定も早いですから、起業家をサポートしたいという純粋な気持も手伝って何かそれ向けにビジネスをしたいという人は多いですし、儲かりませんよ(=気持は分かるが継続が難しいという意味で)と言っても、「でも。資金調達しているところもありますし!」と確かにそうなんですが、資金調達してお金があったら普通に一般サービスを使うし、そこまでStartupが気前よくお金を出すわけでは。。(調達したということは借り入れ以上のリターンを返すということですし・・)という感じです。 さて、インキュベータに話を戻すとその問題は・・ (1) インキュベータを出来る人は限られる 個々の専門分野で起業家をサポート出来る人はもちろん居ると思います。一方、自分が起業に創業から携わった経験が無いと総合的にインキュベータとなる事自体は難しいと思われます。起業家の痛みとか、心理状態などは流石に経験していないと理解はできないからです。なので、起業に携わって居ない人ですと、感覚的に現場感がおかしい場合が多い。例えば実現可能性が無いことを言うとか、確かにロジック的にはそうなんだけど、それ、大きな問題という深さを理解できないとか。給料をもらえない痛みなどは絶対分からないはずです。このため、ほぼ絶対、感覚的にずれます。企業系のインキュベータが難しい点はここにあります。つまり、いくら優秀でも、どんなに会社内で新規事業や子会社を立ち上げようが、リスクを取らないサラリーマンには起業家の気持は絶対に理解できないので分かり合う事ができないのです(この点には多大な勘違いが有ります)。 (2) インキュベータのなり手が居ない さて、起業も成功者も日本には少ないとはいえ、結構居ると思います。人材は居ないわけではない。問題はその人材がインキュベータをやりたいか?と言われるとNonなケースが殆んどだと思います。何故なら、シビアな合理主義者の起業家はリターンが少ない現状のインキュベータをやろうとは思わないからです。また、起業家は自分でやった方がうまくいくことを「他の人」をサポートしてやってもらおうとは思わないでしょう。つまり、インキュベータ人材は居ます。しかし、インキュベータをその人達がやる可能性は(特にフルタイムでは!事業をやっている傍やクラブ活動的にやっている可能性はありますが!)非常に低いのです。 (3) マネタイズが難しいのでインキュベータの継続が難しい さて、上記の(1)、(2)の問題に加えてインキュベータの問題はマネタイズが難しいので継続性に難がある。特にSeed段階やEarlyの起業家からはお金は取れません。投資をかけたら良いでしょう?とは言うのですが、投資は起業家を集める事には有効ですが、ファンドサイズが大きく無いとまずやっていけません(イメージ50億円以上)。確かに少額でSeed段階の投資もたまに当たるかも知れません。しかし、それはインキュベーションを経営するということにはならないでしょう。まったく成功するかどうかを読めないのですから!このため、①企業の子会社的な立ち位置でインキュベーションがあるか、②ある程度目立つことを実施して企業スポンサーを取るメディア型か、③政府や会社などの補助金やエンジェル的サポートで実施するかという形が一般的かと思います。①は企業の意志がどうしても入りますし(これは良い悪いというよりも経営上当たり前)、②は目立つ必要があるので、現実とはずれます。③が形的には一番綺麗かも知れません。しかし、(1) 、(2) の原因は依然としてあります。「多くの大手投資家が(起業家の相談には乗るでしょうが)、何故、インキュベーション機能を持っていないのでしょうか?」ここに、この話の真実が有ります。 これらの難しい問題はどうしたら解決できるのでしょうか。私はいくつかの海外系インキュベータのビジネスモデルが結果的に良いのではないか?と思っております。是非、ご一緒に考えて行きましょう。
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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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