【01Blog】大企業とStartupをつなぐモチベーションは沸かない?「オープンイノベーションの現場/11」

投稿者:Goda George
2014/05/14 02:57
これは難しい問題だと思います。 人間は経験したことしかわからないので、大企業にしろStartup(ベンチャー)にしろそれを一回は経験しないとなかなかお互いの気持はわからないものです。そのような経験(創業系と大企業の両方に携わる)は01Boosterの運営者もそうですし、他にも少ないながらもある程度の数が居ます。Startupと言えども10名を超える程度から入社してしまえば確かに自由度は大きいですが、Startupを経験しているとも言えない部分が出てくると思われます。 この創業と大企業の両方を経験した人は留学生のように両方の文化を理解しておりますので、良い、仲介や媒体になる可能性は高いとは思います。 例えば、大企業とStartupが組む場合、大企業はそれなりの社内プロセスがありますので時間がかかります。大企業のサラリーパーソンは給料が振り込まれるので、金銭的な時間制限は個人としては受けません。一方、Startupはバーンレートで目減りしますので、この時間感覚の違いは致命的な問題になります。前にUSから来た人が日本では大企業とStartupがダイレクトに組むのは無理だとおっしゃってました。USも色々おりますが気合があれば一日で決めてくるとのこと。残念ながら日系ではかなりのオーナ会社(または強い決定権を持った人との直接交渉)ではないと難しい部分があるかと思います。 さて、ではこの大企業とStartupの文化を理解した人間がまぁまぁとやればうまくいくのか? しかし、ここには、一つ大きな問題が有ります。「インセンティブ」ですね。Startupの場合、株のような状態で自分がやったことがダイレクトに積み上がります(あるいは価値を向上する)。大企業の場合は、かなり頑張っても将来的にはともかく、次の月(成功報酬型ではない場合)の給料はかわりません。モチベーションとかやる気とか将来的な出世のために頑張るという形でしょう。しかしながら、Startupを経験すると個人としてのROIの概念が強くなるのでこの点が難しくなる。志の高い人も居るでしょうが、自分にダイレクトに(金銭的ではないにしろ)メリットが生じづらく、双方の板挟みになるような仲介は、そのように両方を経験した人には実はサラリーパーソンとしてやるのはかなり難しいことではないかとも思えるわけです。 つまり、何か個人(あるいは会社でもいいんですが)としてのインセンティブがつかない状態(有形・無形にしろ)では、単発はともかく、「継続」はかなり難しいと思えます。数名の両方の経験者と会いましたが、そこまでこの仲介業務にMotivationが高い人はやはり居ないです。 日本はインキュベータ(あるいは仲介)へのインセンティブ設計を積極的に考えることが一番重要だと思えてきます。
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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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