【01Booster】大企業とStartupを結ぶよりも自分で?「オープンイノベーションの現場/12」

投稿者:Goda George
2014/05/14 18:50
一回でもStartupで成長を体験した人間がインキュベータやアクセラレータなどのサポート的な仕事をできるのであろうか。 先日、大企業とStartupを繋げるような人材(両方の経験者)がなかなか大企業とStartupを合わせてビジネスを形作って行くことを実施しない。一方、特に日系企業がなかなか新規事業を産めない中、そのようなBtoB型のインキュベータ(アクセラレータ)の存在が今後極めて重要になり、そのインセンティブ設計が肝である話をまとめました。 イノベーティブな新規事業は様々な人材がミックスしないと生まれない(オープンイノベーション2.0)。 人材の流動が激しく、起業率も高い米国に比べてその両方が現在は少ない日本の環境を考えた場合、米国で非常に成績の良い(Startupが生き残っているという意味で)TechStars的なBtoB型のインキュベータ・アクセラレータの取組が日本にも必要だと思います。では、この取組での問題点をまとめることは良いことかと思い(内情・実情になりますが・・)、ここに記載しておきます。 サラリーパーソンの時は特に給料が上がらなくても将来のことを考えて、インセンティブが無い状態でもかなり高いモチベーションで新しいことにチャレンジする人も居ると思います(特に日本は)。前にMBAのクラスで外資の方とHR系のクラスでお話した時に、モチベーション=お金(外資系人事)とモチベーション=やりがい(私、日系企業)と綺麗に分かれました。話が噛み合わないのです。なので金銭的インセンティブが殆ど無い中であえて変革(企業内の新規事業は創造ではなく変革だと思われます)を興そうとするサラリーパーソンはすごいと思います。マズローの5段階を当然知っているので、世の中お金だけでは無いのは十分承知の上で言いますと、インセンティブ設計も付かないものをやる(時には社内で軋轢を起こしても)のはやはりすごいと思います。そのような人材は日本の宝と言えると思います。 ただ、ここで少しネガティブなことを言いますと、(イノベーティブな)新規事業を社内で興すよりも、自分で起業した方が楽だ!と言う人(大企業出身の起業家)は多く、前に、その分野の識者の先生に「正直、トップを変えないでボトムアップで変革を成功した例ってあるんですか?」と聞いたら「無い」と言ってました。企業はやはり経営者によると言えるでしょう。日系の場合は欧米系と異なり、仮にトップに問題があってもマネージャーがうまく調整してしまうので大丈夫と言います。一方、欧米系はトップが駄目だと確実に潰れると言います。この差はあるんですが、残念ながらイノベーティブな、つまり、ある程度大胆な変革を伴う新規事業はよほどトップに覚悟と理解、オーナシップが無いとできないと思われます。もう一点は、この条件を満たして、できるかも知れませんが、スピードの問題が立ちふさがるところでしょうか。 しかしながら、一点、問題があります。やはりサラリーパーソンなので、Startupのことは分からず大企業側のカウンターパート(Key Person)にはなれますが、全体のコーディネーションは難しい。 日本にも様々なIncubatorさんが居ますが、投資側の人はまた方向性が別として(投資のリターンを求めるという意味では素晴らしい)、事業を創る(キャピタルゲイン型ではない)形のインキュベータは外からの見え方はともかく、内情実際はなかなかというところが多いようです。人材の問題がやはり大きい。 TechStarsはファンドを持ち、かつ、会社からの委託的なインキュベーションを展開している(企業のやりたい事をやる)。また拡大もしており、これ自体がScale型のビジネスモデルかと。Y-conのような多産型も一つありますが、気概を創るという意味では重要ですが、起業活動率が世界最低の日本では、それでも起業してくる人間ができるだけ方向を定められるように、BtoB型のインキュベータがもっと必要でしょう。 インキュベータ(アクセラレータ)のインセンティブ設計に焦点を当てることも重要ですが、サラリーパーソンと違うのは(サラリーパーソンはこれを知らないので)、オーナシップを持ってスケール型のビジネスをやったことが有る方は人のサポートよりも自分でやりたいという気持の方が強くなると思われます。つまり、結果的にサラリーパーソンは自分ではなく会社のために頑張る部分が強く、オーナシップを持った状態を経験したことがないので自己犠牲(ボランティア)に近い(かつ、その状態しか知らない場合が多いので意識していない)。このため、Startupでオーナシップを持った人の気持(ボランティアではない)がなかなか志あるとはいえサラリーパーソン側では理解できない部分があると思われるのです。ここが非常に難しいところです。 誰もサボっているわけでも、不真面目でもないのですが、経験した環境が違うので、していない経験には理解ができない典型だと思います。例えば、ある途上国のStartupの日本ツアーをアレンジしたことがあります。その時、なかなか噛み合わず、日本に留学したその国の人が「ジョージさん、この国ではIT企業が何個も拠点があってビルを持っているなんて思わないんですよ」という感じに似てます。 70歳を超えてもアントレプレナーの曽我さんもStartupへのアドバイスはするでしょうが自分でやる姿勢を崩しません。つまり、インキュベータ個人のモチベーションは金銭的にしろ無形にしろ付けるとしても、自分がビジネスを大きくしたいというオーナシップの部分をどうするか?米国での成功モデルをそのまま日本には持ち込めないとは思いますが、インキュベータ・アクセラレータがスポンサーシップに頼るボランティア的な形ではなく、投資に頼る(この場合、ファンドサイズが必要なので結果的にSeedステージを扱うのは成り立たない)のでもなく(インキュベータの現状はこちらを)、「インセンティブ」 x 「ビジネス化(スケール化)」の両方が達成できるインキュベータ・アクセラレータ自体のビジネス化を業界全体で実施していく必要があると思われます。 成長するリブ株式会社の感謝祭にてこんなことを考えておりました。
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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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