01Blog / やりたい起業ネタがあることの罪

2017.06.15

ある高名なインキュベーターのお話しを聞いて「なるほど」と思ったこと。

やりたい起業(事業)のネタがある人間の方が少なく、そしてネタは定まっていないが、とにかく起業をしたいという人間の方が多数派であるという事実。私も明確に後者です。

どうしてもやりたい事業のネタはないし、事業開発していると大体どこかで飽きてしまいます。

であれば、インキュベーターが創ったビジネスアイディア(プラン)を「とにかく起業したい人間」にやらせてみるというアプローチは相性がいい。そして、どうやら、そのやり方をした方が成功確率が高そうである。今、上手くいってそうな(推測含みます)インキュベーターやアクセラレーターはどちらかというとこのやり方のイメージが強い。

それでも、巷ではよく、起業は「じぶんでどうしてもやりたいことを探すこと」等と言われていますし、私も言ったりしています。当然、これも否定されるべきことではありません。事業開発プロセスで確実に振ってくる大量の困難に打ち勝つには「どうしてもこれをやりたい」という信念や覚悟が重要です。そして、周りの人達を巻き込むためにも狂ったような思いがあるほうがいいです。

 一方、やりたい事業のイメージに強いこだわりがあると、以下のような傾向があるかと思います。

  1. 顧客視点が薄まる(顧客のためではなく、自己実現のための活動になる) ゆえに強いこだわりをもたず、時にドライに顧客ニーズだけを黙々と開発する方が良かったりします。そもそもニーズがないエリアを狙っていたり、ニーズはあるけどお金払うニーズではなかったりします。 
  2. 信念が強いゆえに他人のアドバイスを聞けなくなる 周囲の声を素直に聞けないというのは起業家としては相当マイナスです(素直に聞いて、不必要なものを聞き流す力も必要ですが。)。信念が強すぎると、周囲のステークホルダーの期待が視野に入らず、自己実現に突き進みます。また、他者からの資本(Debt/Equityとも)が入っていないのであれば自分のものなので自由ですが、他者からの資本を受けてやっているのであればそれではちょっと困ります。
  3. EXITストーリーが描きにくい 思いが強いゆえに事業のオーナーシップも強く、VC等のEXITが前提の資本を入れた場合に合理的なEXITストーリーが描きにくくなります。 ということで、今回も白黒の話しではないので、決定解はありません。バランスをとるという曖昧な表現で逃げるのはあまり好きではありませんが、やはりバランスが必要ということでしょう。 梅雨に入り、1日中雨なので、スターバックスでPCに向かいつつ。

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※2014年頃のブログのリバイズです。

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