【01Blog】コンパーチブルノートは本当に起業家にとって良い資金調達なのか?

2014.07.10

とある件で、日本でも徐々にシードステージで使われはじめているconvertible notes(一定条件で株式に転換できる権利が付いた借り入れ)を調べています。もともと金融出身ではありませんし、VCにもいたことがないのですが、企業経理・財務20年超なので、この手の調べものは結構没頭できるんです。 シリコンバレーではもはやシードステージの過半数がconvertible notesらしく、日本でも、転換社債による資金提供事例も出ていますが、米国でも(日本でも)賛否両論あるようです。そして、投資家視点のものや、法律家視点のブログや文献は結構みられたのですが、起業家視点の意見が少ないなぁというのが実感なので、「起業家にとって良い資金調達なのか?」というテーマで自分の備忘録も兼ねて残しておこうと思います。(01Blogは自分達の備忘録も兼ねています。すみません。) で、まずは「起業家の立場であれば魅力ないな」というのが現時点の私の率直な意見です。(意見というか、動物的な感覚的な抵抗感です。) その一番のポイントは、投資家の利益保全に大きく偏った仕組みであるということです。当然、設計の仕方によって調整できることも理解しましたし、やりようによっては起業家側に相当にインセンティブを与えられることも理解しました。理屈ではなく、そう感じてしまったのでしようがありません。 以下、整理してみました。 投資家のデメリットは徹底的に排除されているのですが、債務を負担するという起業家のデメリットは残ったままです。上記の感覚的な抵抗感は、上手くいったら株式転換して、上手くいかなかったら借金で返せ!という投資家にとっていいとこどりの仕組みが原因だと思うんですね。コンパーチブルノートに関するブログを探せる限り読みましたが、ほとんど投資家サイドの評価で、「起業家にも有効」とあるのですが、その根拠が「投資家と利害が一致している部分に限定」されていると感じました。 当然、事業の特性、投資家と起業家の信頼関係、資金需要、次ラウンドが想定されているか等の多様な要素を勘案して、双方合意の上で活用されるのでいいのですが。 で、いろいろ調べていると案の定、起業家へ債務負担をさせることへの反論から「convertible equity」なるものが出てきたそうなので、これから勉強させていただきます。 convertible notesの考え方や捉え方におかしな点があれば、優しくご指摘ください。

・・・