【01Blog】Edtechを志す方に1回だけ聞いて欲しいこと

投稿者:Suzuki Norifumi
2014/09/16 17:54
昨年2013年に相当盛り上がったEdtech(教育×ICT)ですが、2014年に入り、大型資金調達の事例あるも、何となく各プレイヤーの実態が少しずつ浮かび上がってきた感じがします。実態とはずばり「儲かっていない(投資家の期待利回りを越えられそうにない)」ということ。当然、そういう予測も多かったので、ある意味想定の範囲です。 とはいえ、これまでEdtechに関わった方々には敬意を表さなければいけません。初期EdTechプレイヤー(起業家も投資家も含む)の貢献は大きく、 ●Edtechマーケットは相当厳しいことを自らリスクをとって後人に示してくれたこと。 ●Edtechブームで公教育側にイノベーション意識を高め、ソリューションの一部を提供したこと。 という効果をもたらしています。 当然、このままでは終われません。この挑戦へのコストは日本の教育系スタートアップ業界には必要コストであり、この挑戦からいかに学ぶかが大事です。01Boosterには多くのEdtech起業家がお越しになりますが、概ね共通しているポイントがあります。これらから、次のアクションを考えたいと思います。 ① 教育を憂い、情熱を持って取り組んでいる。 教育を志す方は、本当に素晴らしい情熱をもった方が多いです。一方、この情熱は「【自分が良いと考える】教育」に向けられます。「【顧客が買える】教育」ではありません。ずばり言うと、自己満足に近いプランが大半です。 →自社のサービスは市場や顧客が本当にお金を払ってまで欲しいものなのか?自分がやりたいことではないのか?自己満足になっていないか?徹底的に考えてください。そして、想定する顧客の声をもっともっと聞いてください。私も教育ビジネスの開発をいくつもやってきましたが、お客様はほとんどお金払ってくれません。 ②  若い起業家が活躍している世界 多くの若い起業家の志と挑戦には拍手を送りたいと思います。とはいえ、教育業界は単純ではありません。経済外部効果が強く効く教育業界は行政、既得権者により支配されている非経済市場の傾向が強いです。市場のルールが上手く働いていないのです。これは社会経験が豊富でないと知りえないことがたくさんあります。学生起業家には分かりようがありません。ゆえに経験の豊富なロートル起業家(こんないい方はない?)は教育ど真ん中を狙う人はほとんどいません。 →もっともっと経験をもった大人や既存の教育企業と連携してください。攻める勘所が分かってきます。 ③儲からないところを掘っている、営利意識が低い 日本人は清貧思想を美しいと思いますので、やむを得ないと思いますし、私もそのように教育されています。正しいことをやればお金は後から付いてくるという考え方もあります。もう1度言いましょう。日本の教育市場は経済市場ではありません。正しいことをやってもお金は付いてきません。既得権益者に配分される構造になっています。その構造に一石を投じるのもいいでしょう。ただし、相当の覚悟と相当の時間がかかることを認識する必要があります。 →何度も言いますが、みなさんの志の高さには敬意を表します。素晴らしい。しかし、まずは経済的に成立することを強く意識してください。経済的に自立するモデルを徹底してください。やりたい教育の本丸を狙うのは経済的に落ち着いた後でいいじゃないですか。結局、寄付金や助成金に依存するモデルでは意味ないですよ。 ④資金調達をシードアクセラレータやVCからしている(しようとしている) 昨年度までのEdtechブームも落ち着きを見せており、VCも少しずつスコープアウトしているようです。できるだけ短期に高い投資リターンを狙うリスクマネーの提供者からしてみれば、教育サービスは儲けにくいし、時間がかかるので、あまり美味しい領域ではないことが現実化しているのだと思います。 →教育系起業は相対的に長期戦ですので、できるだけ自己資金でがんばり、多様性をもった資金調達をしましょう。政策金融公庫の新創業融資、資本性ローン等も十分検討してください。エクイティにしても、決してシードアクセラレーターやVCばかりではありません。 教育業界ではこういうことを言えない雰囲気がありますし、私もすごい気が引けるのです。1回だけ、たった1回だけ、読んでいただけたら、さぁ、志に従って突っ走ってください。
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Suzuki Norifumi
代表取締役CEO 01Booster Inc.

大学卒業後、ゼネコン主計部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ入社、管理部門を統括するコーポレート管理室長。東証マザース上場、東証1部指定替えプロジェクトメンバー。その後、エムアウトにおいて教育事業「キッズベースキャンプ」を創業するとともに、兼務で新規事業開発シニアディレクターを歴任。同事業を東急電鉄に売却するとともにその後3年間のPMIを経て、同社取締役退任後、事業創造アクセラレーター株式会社ゼロワンブースターを創業し、起業家支援、企業向け新規事業開発支援事業を展開。日本を事業創造できる国にして世界を変えるために事業創造プラットフォーム構想を推進している。

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