【01Blog】新規事業が失敗する3つの原因を読み解く

投稿者:Goda George
2014/11/03 17:59
え?過去10年間新規事業を行っていない企業が56.9%?多くの会社で新規事業が失敗する原因は3つに集約できる」というブログのエントリーがありました。中身を少し読みといて膨らませたいと思います。私的には一番衝撃を受けたのが最初に書いた一文です。56.9%の企業が10年間新規事業に取り組んでいないとは。。といいつつ、元データである日本政策金融公庫の資料をよく読んでみますと、大きい企業(100名以上)ではそこそこ取り組んでおり、約60%が新規事業を実施しているとあります。

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もちろん、業態にもよるでしょうけど、問題は、残りの40%の企業は10年間経済成長していない日本で何をしていたのか?ということですね。 物理的に未来永劫成長し続けるということは確かに無いかも知れない(資本主義のジレンマ)。新陳代謝も必要。会社にもライフサイクルはあるでしょう。しかしながら、それはもっと上位概念の話。成長セクターのアジアがすぐ西にあるのであれば少なくともある程度成長しないというのはそもそも会社の存在意義の問題になります。 1. 短期的予算が新規事業を潰す さて、本題に戻ってこのエントリーの中の失敗要因の一つである「短期的予算が潰す」です。世界(日本)にはびっくりする企業もあって、未来の売上を誤差数%で予想するという素晴らしい取組をされているところもありました。既存の経営企画の概念を新規事業に持ち込むことを、そもそも、比較的高学歴の人間が何故おかしいと思わないのか? 目安を付けること(予算や売上規模)を目的として計画を立てるのは重要ですし、撤退基準も重要かと思えます。ただ、比較的動きの早いスタートアップでさえ成功の兆しが見えるのに2年間はかかる。となると、動きが当然遅い大きめの企業ではざくっと3〜5年はかかるということになりますね。 ここで少しエントリーの真似をしてドラッガーさんの言葉を借ります。私が思うのは何故、これを比較的高学歴で良識のある人達がおかしいと思わないのか?です。つまり、日本文化の特徴の空気の問題ですね(空気の研究)。話は変わりますが、空気がそれをダメといってもおかしいものはおかしいとちゃんと意見ができる(単純な批判ではなく)文化は企業内に必要です。
未来を予知しようとすることは、夜中に田舎道をライトもつけずに走りながら、後ろの窓から外を見るようなものである。
このエントリーの中で新規事業が成功するのが30%とありますが(多分比較的ライトなものからイノベーティブなものまで入れてなのでイノベーティブならば10%ぐらいでしょういいところ)、仮にこのデータを信じたとしても残る新規事業に対し、約3倍の取組が必要となるわけですね。3個新規事業が欲しいなら最低でも5年間は鳴かず飛ばずの10本の取組が必要。 多分、こんな感じの設計が必要なのでしょうね。つまり、一つのビジネスのP/Lを立ててそれを評価する事自体には意味は無いということですね。

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2. 責任者の疑心暗鬼 私は恐縮ですが、何回か意味のない新規事業開発を見てきました。小さな企業やスタートアップではあり得ないかも知れませんが、社内的な関係性の中での新規事業開発ですね。つまり、失敗したら困るので、間違っていると思っても(市場性が無い)上司や部門が決めた新規事業を続行するケースです。リソースが勿体無い以外の何物でもない。研究所出身で(その能力は無かったですが。。)真理追求が心情の私としてはこれはどうにも耐えられないので、退社せざるを得ないこともありました。この新規事業開発は担当者の責任逃れですが、その責任逃れの空気を創ってしまったのは誰か? 理由にもよりますが失敗した人間は極めて高い経験値を持つ有用な人材です。そもそも失敗した人間を登用する仕組みがその会社にあるでしょうか?これは重要なポイントです。仮に優秀でも成功確率30%としたら10名チャレンジして7名は失敗するわけです。失敗から学べることは大きい。その失敗した人間を(十分失敗するまでの工程を評価できるのであれば)リリースしてしまったり冷や飯を食わしてしまうのは。。 なんてもったいない!!! ある会社で失敗した人が実際に登用されたとのこと。そうすれば、もちろん、安易に失敗して良いというわけではないでしょうが、失敗してもいいんだ!と当たり前の事を次にチャレンジする人間は思えるわけです。仮に失敗した人を登用できないのであればそもそもそんなマッチョな人材を社内に求めること自体がおかしいと思えるのです。 人にもよるでしょうが、家族や子供がいる人もいるでしょうし、飯も食わないと生きていけん。夢も必要。そんなにそんなに転職をしたり起業をしたりと誰もがリスクを取るとは簡単にはイカンのですよ。 私自体、最初は子供の学費が確保できたので、やっとこさ、ベンチャーに「転職」したレベルの慎重さです(勘違いしてさらに起業側に進んでしまいましたが。。)。子供が二人いたらこの選択肢取らなかったです。 多くの日系企業で「変人」が新規事業を興している。変人は少し批判に対する感覚が鈍いかも知れない。しかし、そんなたまーにしか現れないような奇跡的な「変人」に新規事業、つまり会社の未来を託すのはもう止めたほうが良いのではないかと(変人は重要ですが、あまりにも確率論過ぎる)。

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3. 新しい人に新規事業をやらせる これはそうでしょうね。人材流動の烈しい米国では分かりません。日本も企業によるでしょうが。但し、一般的にはこの傾向があるでしょう。多分、社外リソースを短期間で取り込むスタートアップのM&Aなんかはこのケースでしょうね。実際に私も苦労しました。日本という文脈では人間関係を最初に構築して仕事をする(初動が遅いが集団の合意が取れているので後半が早くなる)からいきなり新しい人は難しいですね。特に社内に取り込んでしまっては。 とはいえ、日本がいくらそのような合意を重要にする社会でもそんなにスピードの遅い新規事業を国際競争が認めてくれる未来はもう来ないと思えます。なので、社外リソースと共創して、場合により融合するあるいは独立させたまま提携を進めるなど、新しい仕組みが日本には必要になってくると思えます。 つまり、いきなり新しい人は無理、単純に大手企業とスタートアップを合わせてもなかなかうまくいかないのは当然です。なので、助走(並走)期間が必要ということですね。カタリストやアクセラレータの力が必要な時代が来ます
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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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