【01Blog】新規事業が頓挫する理由

2014.11.12

新規事業が頓挫するのは当たり前とも言える環境で新規事業開発が行われていないか? Harvard Business Reviewの2014年8月号に「新規事業が頓挫する6つの理由」が載っておりました。この内容を見て色々考えたことをまとめてみます。 失敗はあれども(というよりもそもそも2−3割の成功確率が新規事業)新規事業を興せる会社の方とディスカッションしました。そこで思った条件は下記です。但し、メディア系の会社なので製造業には難しいかも知れませんが。
  • インセンティブ設計がしっかりしている(新規事業を興すことにインセンティブ設計がされている)
  • 新規事業を興せるような人が入社してくる
  • 足りないのであれば外部リソースを調達することに規則がない
  • 失敗を許容する(失敗での評価は下がるが、その後また再チャレンジでチャラになる)
  • 撤退基準があり、予算取りなどが可能(ある程度の枠の中では自由にできる)

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日系企業ではそもそも新規事業を起こしたら数百万円も給料が変わるぐらいのインセンティブをつけているところは稀でしょう。あまりにも新規事業を社員の信念に頼りすぎているのはそもそも問題だと思えます。撤退基準と事業を興せる枠があり(予算と期間)、失敗によっては逆に評価される。これだけの環境を揃えている会社がどれぐらいあるのでしょうか。逆に無かったらどうやって新規事業を興せるのでしょうか。 次に出てくるのが下記ですね。
  • 社員側にそこまでの覚悟があるのか
  • 上司側がそれを評価したり、マネージできるほど働いているか
といった問題が出てくると思います。前者はそもそも単純な愚痴に終わっていないのか?ということですね。後者に関しては前に社内調整役の重要性を記載しました。色々海外の状況を確認するに、この調整役はDirectorがやっているか、まったく新しい役割の人が別にやっているようです。

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さて、論文に戻りましょう。論文には6つの理由が記載されております。その理由の幾つかは上記にも含まれておりますが、大きくは二つ新しいことがありますね。一つ目はちゃんと上層部がそのプロジェクトを管理できるのかということですね。問題点の指摘に終わっていないか?ちゃんと出来る方向に導けているのか?があります。 もう一つが「最も優れた経験豊かな人材に任せない」というのが頓挫の原因とあります。これは実は極めて重要な要素だと思えるのです。私自身もこれを二回体感しております。

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一つは成功側として。コーポレートマーケティングの立ち上げで、社内でも信頼の厚い部長が責任者になった時ですね。この時に新規事業(ここでは部門の立ち上げになりますが)は加速し、社内で承認を得られるようになりました。 もう一つが失敗側としてですが、買収された先の会社が、我々買収された人たちに新規事業を託そうとした時ですね。もちろん、最大限協力はしてくれるんですが、こちらは特に社内で信任が厚いわけでもありません。最初はいいんですが、途中で壁にぶち当たります。 いきなり新参者を会社に取り込んでしまってはイケないということだと思います。外部に居る分にはいいんでしょうね。あるいは、いきなりCEOで赴任してくるのは別の意味で変革としては良いのでしょう。何故なら権限があるのですから。 この優秀な新参者を新規事業に充ててしまう(かつ、組織に組み込んでしまって!)。これは多くの企業が起こす大きな間違いだと思います。気をつけないとなりません。

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