内部留保というよりは現預金を持ちすぎというところのようですね。
日系企業は内部留保を貯めすぎで守銭奴だという
発言が麻生副総理からあって話題になっております。私的には定量的に少し考えて国際比較してみたいと思います。専門の方が多々いると思いますので、是非、アドバイス頂ければと。
全体として様々な比較の上から論じているのが
こちら。
- 内部留保という視点では課題とは言えないという調査報告があります。雇用は守っているともあります。
- 内部留保というよりは、現預金での保有が日本企業は多いというのが特徴のようです(アメリカの4倍、イギリスの3倍程度)。
- 現預金の保有に関してはこちらにも詳しい論文があります。一つにはデフレにより現金を持っていたほうが価値があがるというのがあるようです。株主のプレシャーが欧米よりも弱いなどがあります。断定はできませんが、リスク回避(短期的リスクを避けて、長期的リスクを取っている)ということで、あまり良い傾向ではありませんね。
- 海外への投資は増えているというところ。一方、一部の企業を抜かしてあまり良い話は聞きませんので、海外投資に関してのROIは悪いのかも知れません。
上記をまとめると必ずしも内部留保が多すぎるからどうのという議論は的確ではないと思えるのであるが、日系企業は海外と比べてキャッシュはあるが効率的に投資されていない傾向が見られ、リスク回避傾向(安定はするがリスクのある新規事業への投資は大きく無いので、長期的な成長ができないというリスクはあるが)を持っているという方向性はあると思えます。
難しい議論にはなりますが、一気にリスク取りとはいかないまでもある程度の範囲で将来の成長のためにリスクを取ってお金を使う方向に行った方が良いという傾向にあるかと思えます。また、雇用を守る事自体は素晴らしいですが、
雇用保蔵者数という問題もあり、3つの局面を迎えるかと思えます。
- 内部留保というよりは現預金が日系企業は多いので、これを将来的な成長を狙う新規事業領域へもっと回す必要がある。
- 余剰人員があるので、この人員を別会社または起業に向かわせる必要がある(成長セクターへ異動)。
- 海外投資のROIを見直す必要がある。
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