【01Blog】社会性のある起業で気をつけること

投稿者:Goda George
2015/01/17 21:01
マクロと視野(共感性)、それが必要とされるまでの視座の高さに関して今一度確認する必要があるのではないか? 最近は立て続けに社会性のある起業や事業に関してディスカッションする機会がありました。例えば、東京以外の地域でもっと起業を活性化したい。地方創生を行いたい。女性をもっと活用したいなどでしょうか。 話を聞いてみて思ったのは、①マクロの視点、②視野(共感性)、③視座の高さに問題があるのではないか?ということです。 例えば①に関しては「アフリカの飢餓をなくすべきだ!」ということに反対する人は非常に稀でしょう。しかしながら、では、飢餓をなくすために、食糧援助したら、その横領や食料自体をもらう事が目的化して結果的に状況を悪化させてしまった、というもう少しマクロで見たら実際の施策が失敗しているケースですね。でも、それ自体は想いを込めてやっているので、なかなかディブリーフィングができない。これは様々な例があるでしょう。 次にこの社会性の課題は「ポリティカル・コレクトネス」の要素があるので、容易に反論できません。地方が疲弊しているので活性化すべきという話は当然私自身もそう思います。但し、上述のようにマクロで問題があったとしても、反論が難しいだけに、本質的ではない施策がなかなか改善されないという傾向があると思います。下記にまとめてみます。 1. マクロの視点 例えば、良かれと思って野生動物に餌をあげてしまったら畑を荒らされて、といったものです。2で述べますが、社会性のある課題は当事者の問題意識が強いことと、批判され難い場合が多いことから、当事者が視野狭窄になる可能性があります。このため、今一度本質に立ち戻ってそもそもこの事業は大きな視野で見たら社会に良い(この良い悪いの定義は難しいですが)影響を及ぼしているかを今一度考える必要があるのではないか?ということです。 IMG_6812 2. 視野(共感性) 地域活性化の話で取り上げましたが、当然ながら事業には「想い」の要素が強いですからそれ自体が悪いわけではありません。しかし、今一度冷静に考えて見て、そもそも、それがマクロ的に社会に有効なことなのか、それとも実は局所的に良いが、全体として物事を悪くしてしまい、結果的に自分の解決したい課題を悪化させる結果にならないか?ということです。分かりやすい例が確か車業界であったと思います。ファミリーカーと高級車が同じ会社から出ていて、それぞれの部門の命題は「売上を上げる」ことです。ここで当然カニバリゼーションを起こしますので、会社全体として業績を悪化させたというものです。これはマクロの視点の話と被りますが、誰もが想いがあると思います。しかし、容易に人間はその想いに引っ張られる。特に日本人では同一性を重視しますので、他者の異なった意見にそこまで寛容ではありませんので、なおさら気をつける必要があります。一つ思ったのは社会性のある課題に関しては、その課題の外側にいる人のWinを考えることにそこまで気を回せていないのでは?ということですね。地域であれば、それ以外の地域。例えば、僕が千葉県出身で千葉愛が強かったら、千葉が良くなれば良い!と考えがちです。では埼玉はどうなんだ?となるとあまり考えていない。当然埼玉の人の共感は呼べません。しかし、埼玉の人もそう思っているはず(理解してくれる)という一種日本的な同質性の要素を感じます。ここにポリティカル・コレクトネス要素が加わりますので。。さて、その結果、良い競争関係が生まれれば良いですが、単純に富の移動が行われているだけではないか?と思ってしまうのです。 3. 視座の高さ 最後に継続持続性を持つために、つまりは、市場に認められるために何をしたら良いのか?共感性は重要ですので、メディアで受けるような形で現在話題になっている課題を取り上げることは戦略的に重要だと思います。但し、広告宣伝費がGDPの1%という要素、つまり、ある製品やサービスの単価の一部であるようにメディア型のビジネスモデルはその維持と利益率の低さ、広さ/寡占性(逆には極めてターゲティングされているか)が重要になりますので、この点で問題が生じます。 となると、視座を戦略の階層の原理で、高くし、かつ、それが事業化できる、つまり、粗利を取れるところを狙っていく必要があります。例えば、1社で無理なら複数社、一地域で無理なら複数地域など、規模を効かせるか、子ども教育がマネタイズが難しいなら、大人で始めて子供に落としていくとか、メディア戦略上言うことはともかく、考える視座は鳥瞰図的である必要があると思えるのです。問題は日本人はそもそも反論=自分を否定されたという思いを持つ傾向があり、かつ、想いが強い上にこのような反論に対して「なんたることかー!」となると、当然有能な周りの人は離れていき、より、自分の事業にプラスにならない人を集めてしまうのは、君主論にもリーダとしてはやってはいけないこととありますね。 IMG_8141 今一度、日本人の持つ下記の特性を振り返って、事業を考えると良いかと思えました。
  • 議論や反対意見を述べづらい雰囲気「空気」がある。また、言霊文化なのであまりにも厳しい意見を言いづらい(単純な批判はともかくとして)。
  • 意見の同質性を知らずと求めており、相手もそれを合意している、分かっていると扱ってしまう部分。
  • 視座を比較的低く、目の前の事を頑張ることに価値を持つ傾向がある。あまり視座の高いことを言うことを良しとしない。
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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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