「顧客」とその「顧客への提供価値」というのは実は案外分かり難い
森永アクセラレーターの
事前セミナーの募集が開始されましたが、ビジネスプランでは「
顧客」と「
顧客への提供価値」が重要になります。そもそも、あなたの顧客は誰なのか?そんなのは当たり前に誰々、どこどこと決まっているものだと思いがちです。しかしながら、これは結構分かり難いのが起業における問題点の一つです。
分かりやすい例で、広告のモデルを考えると、下記のようなモデルが考えられます。例えば代理店であれば、広告主がお金を払うので「顧客」でしょう!となりそうですが、広告を表示するサイトがとても車に強いサイトの場合、このサイトの気持を考える必要があります。となると、こちらも「顧客」とも言えます。
広告主(例えばトヨタ)→ 広告代理店 → (グーグルのような広告を配信する仕組み) → 広告を表示するサイト
実際に様々なビジネス形態があります。
B2B2Cなどは良くあるモデルですが、こうなると誰が顧客か?というのは難しくなりますね。エンドユーザは一般消費者かも知れませんが、売っているのは小売店というモデルですと、小売店がお客様でそこへの提供価値となります。しかし、エンドユーザにウケるのも必要です。また、小売にしろエンドユーザにしろ大小・地域・年齢を含め様々ですので、これも難しいです。どこのどんな誰なのか?を
顧客を具体的にする必要があります。
B2B (Business-to-Business)
B2C (Business-to-Consumer)
C2B (Consumer-to-Business)
C2C (Consumer-to-Consumer)
B2E (Business-to-Employee)
G2G (Government-to-Government)
G2E (Government-to-Employee)
G2B (Government-to-Business)
B2G (Business-to-Government)
G2C (Government-to-Citizen)
C2G (Citizen-to-Government)
B2B2C
...
つまり「
顧客というは実はなかなか見極めるのが難しい」ということです。特に起業や新規事業では顧客は新しくなる可能性があり、そもそも顧客が誰だっけ?というのはかなり真面目に議論されます。
次に、顧客は分かったが提供価値というものはなんでしょうか。この場合、プロダクトアウト型の考え方が顔を出します。顧客の提供価値ではなく、自分が売りたいものを売るというものですね。自分がそれを価値があると思ったところで、顧客側の視点に立てば決してそうではないケースも多いのが事実です。
例えば、学生に企業がアイデアを募集するというサービスがあったとしましょう。学生が市場ターゲットの場合を除けば、企業側が求めるのは「新しい視点」であったとすると、そのアイデアの募集対象が学生である必要はありません。「新しい視点を出せる人」が企業が欲している価値です。一方、サービス提供側からしてみると「学生を活用したい・育成したい」という別の思惑があったとします。「学生を活用してアイデアを出したい・育成したい」というのはもちろん総論賛成ではあるんでしょうが、目的の方向性がずれているので実際には売れません。
このような本質的な提供価値を外しているケースは非常に多くみることができます。
今一度、そもそも「顧客」は誰なのか?そして、その顧客への「提供価値」はなんなのかを考えてみてもいいですね。
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