【01Blog】スマイルズさんに学ぶ、今、日本に必要な新規事業のカタチ

2015.02.20

今、日本に必要な新規事業の体温をスマイルズさんに感じた 日本では本格的なフード系アクセラレーターとしては初めての取組となる森永アクセラレーターの事前交流会・セミナーの第一日目が開催されました。会場は150人にもおよぶ"事業家"の熱気で埋め尽くされました。 IMG_9268 日本のアクセラレーターの歴史ともなり得るセミナーの第一日目には株式会社スマイルズ(「Soup Stock Tokyo」などを手掛ける会社)の取締役副社長である松尾真継さんに新規事業に関してお話頂きました。タイトルは・・ 世の中の体温を上げる事業で、文化を創る なんとも素敵です。 世界にはまだまだ伸びる市場は沢山あります。だったら、セグメントを切って、市場調査をして、ここがホワイトスペース・ブルーオーションだから、儲かりそうだからやろうというのは良くある話です。しかし、そうではないということです。日本は過去に技術だけ、改良だけ、大量生産だけで勝った時代があったと思います。しかしながら、この競争ではコストの安い国に勝てません。そもそも、自社はどんな世界を創りたいのか、本質的な存在意義は何かを考える必要があります。これは今の日系企業には非常に難しいことであると同時にとても必要なことです。 松尾さんのお話には様々な日本再生へのヒントが散りばめられて居たように感じるのです。私なりにまとめます。 最初が熱意覚悟です。 IMG_9272 まず、Soup Stock Tokyoの誕生秘話に関しては著書もございますので、ご覧頂くとしてまして、簡単に言えば、三菱商事にいらっしゃった遠山社長が外食をやりたい熱意から、ケンタッキーに出向し、そこでSoup Stock Tokyoの一号店をお台場に創ってしまって、流石にそこまでできてしまうと、それをダメとも言えない三菱商事さんが初の社内ベンチャーとして認めてしまったというものです。今の日本社会で前例無く初めて何かをやるということは熱意と覚悟が必要です。 次に妄想です。 誰もが失敗は好きではないです。なので、新しいビジネスを考えるときにはつい左脳が働いてしまいます。失敗コストは?あれができないんじゃないか?そんなのどうやるんだ?できるのか?などです。少し話がずれますが、ベンチャー的には、先にやることを考えてしまって、次にそれをどう達成するか?という順序で考えます。一方、多くの企業では失敗理由やリスク(左脳的考え)を徹底的に追求しますので、ローリスク=ローリターンのモデルになります。ある意味、多くの日系企業が大型の企業内新規事業を生みにくいのは必然でもあるのです。 一方、スマイルズさんでは、この左脳の考えを一旦置いておいて、徹底的に妄想されるそうです。こうなったら良いなぁ?と徹底系に妄想するそうです。例えば、下記のJALの機内食に採用されたSoup Stock Tokyoスープはなんと、今から15年前に妄想され、企画として書かれたものだと言うのです。当然、「どうやってアプローチするのか?」「そもそも受け入れられるのか?」など、何も無い段階ではひたすら「左脳」が働き、ボツになるかも知れません。 一つ言えるのは、ペットボトルの水もそうですが、そもそも、20年も前にペットボトルの水を飲む人(アイデア)はとても左脳で考えたら受けいられない"妄想"だったでしょう。 そう、文化を創るような大型の新規事業は右脳を徹底的に活性化させた妄想の中からしか出てこないのかも知れません。 md http://www.soup-stock-tokyo.com/news/jal_35000.php 最後に、共感でしょうか。素晴らしいお考えなので、ここに抜き出してみます。特に日本のように市場の伸びが難しい国、また、仮に伸びていたとしても「価値」や「文化」が必要です。単純に売上を上げたいでは上手くいかないし、生き残る事ができない。 IMG_9283 必然性を根っこにして(自分のこと) 意義を加えて(外のこと) やりたいということに出会い(トキメキ) なかったという価値を創る(オリジナル) これは、新しい文化を創るということはそれを利用するユーザをワクワクさせるためだけではなく、それを実施する事業家にとってもトキメキが必要なのですから。 松尾さん、最高に素敵でした!我々も少しでもスマイルズさんに追いつけるように努力します。今後も日本にトキメキをお願いします。

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