購買力平価(PPP)換算労働生産性 = PPPで評価されたGDP / 就業者数
米国を一旦おいておくと、ルクセンブルグとノルウエーの労働生産性が高いのですが、
この原因は人口が少なく、国際企業の本社が多いことや金融などが発達しているということです。付加価値の高い業態が人口の低い国に集中しているということですね。これは分からなくも無い。
ノルウエーは資源国であるというのも大きそうですが、適材適所や自由度という要素は大きそうです。幸福度も北欧は大きくなる傾向にあります。ノルウエーに関してはこちらにも
解説がありますね。簡単に言えば、下記などになりますでしょうか。ただ、労働生産性の順位の高い国を見ると、米国は別格とすると、どうも、日本的な労働生産性を云々する上では参考にならなさそう(資源国とか小さい国とか)な感じです。
- 資源国であること
- 人口が少ない(GDPに比べて)
- 金融やICTなどの付加価値の高い産業が多い
- 規制緩和
- 国的に面積が小さいと合理化できる
ドイツも近年は数値が落ちているものの、労働生産性の高い国として知られておりますね。この原因が
幾つか述べられております。1980年代にはドイツはボロボロでしたので、いつの時代にもOKということはないと思いますが、今はドイツは良いということですね。ここで分かるのは下記の2つですね。これを追求すると必ずしも素晴らしいかは分かりませんが。一つの要素ですね。
- 効率化を図る
- 理由がはっきりしない(意味が無いこと)事はしない
- 上司だろうが客だろうがNoという
じゃ、アメリカはどうなんだ?というと、ITの観点でその原因を述べているのが
こちら。しかし、IT導入したら労働生産性が上がるというのも少し論理の飛躍がありますね。一方で、
すぐ決めるというのもありますね。
要は、
日本も「日本的に」効率化せいということですね。ドイツも米国も欧米型の論理型ですので、このままやっても文化が合いませんね。
まずは、日本の中でも中小よりも大企業の方が労働生産性が高い。これは何故か?意思決定も合理化も中小企業の方が進んでいる部分もあると思うんですよね。なので、単純に合理化だけではないような? 要は付加価値を付けるという部分で大企業が(仮にそれがブランド力としても)できているということかと。
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h20/h20/html/k2120000.html
さて、労働生産性の伸びは近年はそこまででもというところです。下図はUSとの比較です。経済が伸びているときは非常に「生産的」であったということですね。
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/h20/h20/html/k2120000.html
こちらには日本の労働生産性の低さに関して
批判的な記事もあります。安易に比べてはいけないということでしょう。日本の労働生産性の低い原因は様々な記事があるので検索すれば色々出てきます。
そもそも論として日本の労働生産性が低いのか?というのは分からないのですが、今から資源国にもなれないし、国もそこそこ大きいので、いくつか上記を元に仮説すると。
- 会社や自分が何をする必要があるのか?があまり明確になっていないので余計な事もしている
- 非効率な事を放置する。また、意思決定が遅い(⇒ 多分意思決定者や評価基準が不明確なのでしょう)
- 規制が強い
- ICTや金融、あるいは起業を含め、高付加価値を生み出す産業への投資リソースが少ない
と、
現状維持が多く、不合理な事を打破し、付加価値を上げるようなパワーや行動が少ないのかな?と思えなくも無いです。