【01Blog】それはバカな!?という戦略こそ美しい

2015.06.16

「バカな!」といいつつ「なるほど」と思える戦略を。

吉原英樹さんの「バカな」と「なるほど」という書籍があります。戦略系の複数の良書が推薦しているだけあってシンプルに成功した戦略論に関して本質を語っています。この本には海外展開と新規事業に関しての話が出ております。

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この本の内容は比較的中堅以上の会社の話になりますが、Y-Combinatorのまとめているスタートアップ(急成長を目的とした組織)のTipsでも似たような事が書いてありますね。

スタートアップのやること(アイデア)は狂っている。そうしなければ、合理的にメリットのあることは大企業がやってしまうので勝てない。

簡単にいえば、合理的に考えてよさ気だったり、素晴らしい戦略は簡単に真似されるということですね。この本の中にも下記の記載があります。例えば、そんなところにそんなでっかい店舗出したら駄目だろう?とか、そんなバカな事するのか?という戦略ではないと直ぐに新規参入が始まってしまって厳しいということです。

同じ非常識な戦略であっても 、尊敬される戦略よりも軽蔑され 、バカにされる戦略のほうが 、戦略としてはすぐれている

スタートアップではそこら辺は普通ですね。こんな言葉もあります。ケインズ理論に反対したフリードマンのコメントです。真理をついてますねー。無鉄砲な3%が世界を変えていると。

資本主義は3%の無鉄砲で支えられている by ミルトン・フリードマン

しかし、中堅以上の企業で非常識な戦略を取るのは結構難しいですね。何かを止めるのはとても大変です。PPM分析がありますね。この書籍の中にもありますが、金のなる木には追加投資をせずに問題児や花型事業に資源を投入すると。これは米国ですら非常に難しい話です。日系ではなおさらでしょう。負け犬を捨てるのに30億の追加投資をして止めさせた例も載っております。人間とはそれだけ変われないものです。

PPMhttp://www.nsspirit-cashf.com/logical/ppm.html

この本では、人を変えるのは極めて困難であると語っています。無理ではないでしょうが、それだけ人間は簡単には変えられない。体制もあります。べき論にもこんなコメントが。

べき論の立場からする議論をよく検討してみると 、そこに一つの特徴をみいだすことができる 。自分都合主義という特徴である 。

本当に未来を素直な気持ちでみることは難しいことですね。しかし、特にスタートアップでは思い込みは禁物です。事実を受け入れなければなりません。これは企業でも同じでしょう。また、結局のところ、ボトムアップ・ミドルアップを日本はやりやすい国だとは思いますが、海外展開においての例が一つ真実を語っていると思いますのは、トップのコミットメントであると思います。

それら海外進出に成功している中堅企業をみると 、一つの共通点として 、トップが国際化に情熱をもっている 、トップが長年にわたって海外進出の夢をもっている 、という特徴をあげることができる。

結局のところはトップのコミットメントが全てに優先すること、人は簡単には変えられないこと、また、バカな!と思うような戦略はなかなかボトムアップ・ミドルアップでは取れず、どれだけトップがその逆流に対してコミットできるか。これがその企業の未来を決める大きな要素であることは間違いないでしょう。

 

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