勇気を持った撤退も素晴らしい。また挑戦する日を願って。
拡大するよりも縮小する方が難しいと前に会社の社長さんから聞いたことがあります。中国の諺に下記の言葉があります。状況が悪い時は勇気を持って退く必要があるということです。結果的に勝つ人は引き際も早いということです。
可を見て進み、難を知りて退く
さて、今回の起業は時流に乗らずに一旦は休止し、会社に入りなおして、機を伺うという方とお話しました。勇気ある決断だと思います。
ベンチャー企業の立ち上げは経験がない状態ですと非常に確率が低いのが現状ではあります。もちろん、大きな借り入れをしているような状態ではなければ十二分にまたできますので、一旦、機を待って再就職というのも良い選択だと思います。
とかく勇ましい決断が良いと思われる傾向もあります。松下幸之助さんのお言葉で、下記がありますが、確かにそう思うと同時に時には引かなければならない起業もあります。
失敗したところでやめてしまうから失敗になる。成功するところまで続ければ、それは成功になる
時には臨機応変に対応する必要もありますね。会社の成功の話は沢山ありますね。一方で、うまく行かなかった時に一旦、休止してその後に備えるという話はそこまで表に出てきません。
22歳で事業に失敗する。
23歳で州議会議員選挙に落選する。
25歳で再度事業に失敗。
26歳で恋人の死に直面する。
27歳で神経の病をわずらう。
34歳から5年に3度下院議員選挙に落選する
46歳で上院議員に落選。
47歳で副大統領になろうとするが失敗する。
49歳で上院議員選挙に落選。
51歳でアメリカ合衆国大統領となる。 by リンカーン
私としても、何回か撤退した事業があります。海外展開コンサル、携帯事業、コンテンツ事業、インバウンド事業などなど。果たして撤退と進行とどこで見分けるのか?これは難しい問題です。結局のところ、トライしてみて、これはビジネス的に成り立たないと思ったらさっと引くのも重要だと思います。下記などでしょうか。
- 現行のテーマで創業メンバー(コミットメンバー)が長く見つからない時
- 市場性に関して長く、見つけられない時、あるいは、非常に時間が掛かる時
- (仮に事業性があっても)その事業にモチベーションを維持できない時
- 生活レベルに無理がかかる時(家族なども含めて)
どのような形でもまた挑戦する機会はありますので、是非、英気を養って頂きたいですね。
『負けたことがある』というのが、いつか大きな財産になる by スラムダンク

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。