コワーキング・レンタルオフィスのWeWorkが1兆円の企業価値!?これはすごい。
New YorkをHQとするレンタル・コワーキングスペースであるWeWorkは4カ国16都市にオフィスを進出しています。いわゆる「Startup」の聖地とでもいうような場所にオフィスがありますね。US、イスラエル、ロンドン、アムステルダムですね。
手広くオフィスを広げて入るものの、なんと時価総額は10Billion!(1兆円)ということですね。これは凄い。サービスは2万人程度(現在はもっと多いと思えますが)の会員が利用できるソーシャル・ネットワーク、保険などのサービスへのアクセス、イベントなどがあります。
WeWork Labというインキュベーション機能(コワーキング的な場所)もありますし、幾つかの大手企業がSoHoとして使っているケースもありますが、それ以上の特別な事業体があるというイメージでもありません。
Over Valuationという声もありますが、世界で起業が盛んな場所の目抜き通りにリアルなオフィスを構え、そこにStartupのコミュニティを持っているという「リアルな場所を起点とするコミュニティ価値」が大きいと思います。
リアルな場所(オフィス)は計画的偶発性を産むことをコーポレートアクセラレーター(アクセラレーターでは基本的に選抜されたベンチャーに活用いただくためのリアルなオフィスが必要)を運営して実感します。特に分野は違えど「類似した目的」を持った集団がリアルに顔を合わせる事は重要だと思います。
一方で、コワーキング型のオフィスの運営はなかなか難しく、Scalableではないところからオフィス事業に関しては慎重にならざるを得ないのですが、思い切ったオフィス展開とこのコミィニティ価値が新たな価値創造になるかは今後のWeWork次第。その動きに目が離せないですね。
インターネットが発達した現代、コミュニケーションは容易なものになったかもしれませんが、面と向かって人と会う機会が減ってきているようです。いまを生きる若い人たちに、人と顔を合わせ、お互いに様々なものを汲み取っていくことの大切さを忘れないでほしいです。by 宮原耕治

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。