01Blog / 怖いから起業するのではないか?

2015.12.27

色々な人のビジネスモデルやビジネスプランを聞いていると、確かに、その人の勘所のようなものはあるんですが(往々にしてその人は個人ではわかっていない)、最初から強い理想やら目標、やりたいことが明確で起業する人は実は非常に稀ではないかと思えるのです。

人は自分の聞きたいことを聞きたいですから、起業家が最初からアイデアを持っていた、夢を持っていたというストーリーは好きでしょうし、勇猛果敢にリスクを取って、といった、勇敢な話も好きでしょう。あるいは、一回、どん底まで落ちてから這い上がるというストーリーも好きでしょう。メディアもあまりにも面白く無い平凡なストーリーは好まないと思います。

当然ながら起業家側もスピーチやプレゼンは営業やポジショニングの一種でしょうから、ストーリー性を持って語るでしょう。

となると、真実はどこにあるのか?


ビジネスはゲーム、世界で最も素晴らしいゲームだ。どのようにそれをプレイするか知っているのであれば。Business is a game, the greatest game in the world if you know how to play it. by Thomas Watson (IBM初代社長)


ビジネスや事業立ち上げ、起業を「ゲーム」と同じだという人が居ます。最初は私も不謹慎だなぁと思ったもんですが、今はその気持もわかります。ゲームと考えないと余りにも深刻に捉え過ぎて正確で客観的な意思決定ができないのではないかと思うのです。

臆病者の科学的起業法という本があります。この本は淡々と起業に関してシビアなことが書いてあります。夢のあるストーリーではなく現実の話です。そこまで凄いアイデアがあった人ではなく、仕事の延長だったり、目の前の問題解決をしたら大きくなったなど、起業のストーリとしては平凡です。しかし、もしかしたらこちらの方が圧倒的に真実に近いのかも知れません。

何かリスク許容度がとても高く、強い理念が有り(理念やビジョンは人を惹きつける上では重要ですが)、という人は少ないのではないか?と。

私の仮説では多くの人が普通より怖がりだから起業するのではないか?と思うのです。いわゆる生存能力。このままこの仕事を続けていたら戦闘能力が落ちるのではないか?このままこの会社はあるのであろうか?など比較的過敏に感じた人が起業しているケースは実は結構あるのではないでしょうか?となると「勇気」というよりは「怖がり」な人が起業している可能性も大いにあるように思えるのです。

日本人が失敗を恐れる?というと本当にそうか?と思います。集団主義なのは認めますが、集団の性格が失敗を恐れているときは恐れ、集団が失敗を怖がらないとき(経済が極めて伸びている時など)は失敗が許容されるとも思えるのです。

自分がリスク許容度が低い、怖がり、というのはもしかしたら起業に向いているのかも知れません。

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