2015年は日本における『コーポレートアクセラレーター』の元年と言ってもいいでしょう。今年、01Boosterは厳しいクライテリアがあるグローバルアクセラレーターネットワークへの加盟が認められ、『コーポレートアクセラレーター(Corporate Accelerator)』を商標出願したこともあり、ここでコーポレートアクセラレーターを定義し、整理することを試みたいと思っています。
もちろん、事業創造やオープンイノベーションに絶対解等ありませんし、ツールや方法論に固執するのは無意味だと思っていますので、あくまでも01Boosterに関わる方々の共通認識ということを前提にしたいと思います。
【コーポレート(大手企業)サイドからの定義】
社内の経営資源だけでは生み出せないような事業の立ち上げを、
①本体から切り離した出島環境で、
②主にベンチャー企業や起業家等の社外の実行力、執念・覚悟、革新・新規性を活用して、
③失敗コストを制限し、
④リスクを外部化し、
⑤スピード感を持って、
⑥数多くトライできる、
事業開発方法、の1つであり、中にはM&A等でスピンインの可能性を待つ、中長期的な戦略になります。
【起業家サイドからの定義】
あるゆる経営資源が不足するベンチャー企業にとって、
①大手企業にある経営資源(人材、ブランド、信用力、ネットワーク等)を活用でき、
②大手企業から支援を受けているという信用力補完ができ、
③社内外の専門家、メンターからアドバイスを受けられ、
④無償でオフィスの利用ができ、
⑤大手企業およびアクセラレーターから出資を受ける機会があり、
②有期限の締め切り効果や、
③複数チーム参加のピアプレッシャー効果&ピアサポート効果により、
事業の成長を加速し、成功確率を上げられるプログラムです。
【Global Accelerator Networkクライテリアからアプローチしてみると】
①3-6ケ月のアクセラレータープログラムであること、
②メンター主導型であり、メンターが40~80名いること、
③1回のバッチで10~20社までが参加し、小規模であること、
④出資と経営資源の提供が準備されていること、
⑤参加する起業家/ベンチャー企業にとって有用であること、参加は強制されず、マイナー出資があり、オフィス環境が提供されること、
⑥アクセラレータープログラムの運営は起業家(現時点で)によってされること、
となります。
重ねて申し上げると、コーポレートアクセラレーターは「事業創造のための有効な方法論の一つ」に過ぎず、絶対的な方法論やツールなどありませんので、この定義も随時見直しておきたいと思っています。