01Blog / 2016のベンチャーキャピタル業界における10個のトレンド

2016.01.17

Inc.comに2016におけるベンチャーキャピタル業界の10個の動きがまとめられているので下記に要旨を書いておきます。

(1) より企業の投資が増える

US/EUで1/5、アジアで1/3が企業系の投資であり、一般のVCに比べて営業先の紹介、製品のテストなど様々なメリットを供与している。

(2) インキュベーター・アクセラレーターが増える

企業のスポンサーシップがこの分野で活況で増えるのもあるが、(間接的に)地域経済の活性化にも有効である。2000ぐらい存在する(US?)。

⇒ 私感:このロジックは、企業スポンサーでインキュベーター・アクセラレーターが増える。これらは起業家を確保する必要があるので、それぞれにある程度のエリアを必要とする(人口に対し、起業する率は決まっているので)。このため、数が増えれば地域的に分散する傾向となる。企業が内部留保自体をオープン・イノベーションするし、起業は新しい雇用を生むので、還元されるという、言わば、税金的に企業が起業家にお金を出して、資金が循環するというイメージかと思います。

(3) EarlyステージにおけるVCの競争が始まる

簡単にいえば(2)と組み合わさったコワーキングの存在により、より、出来立てのStartupが世間に露出するようになる。この部分への投資環境に変化が(ファンドが大きいところは投資しにくいので)起きる。

(4) ファンドの数は増える

(5) 投資家への教育が重要になる

簡単に言えばVCは結構頑張っているが、そこにお金を出す投資家の方は少し教育が追いついていないところがあるので、そこへのナレッジの提供は重要になりそう。

(6) 小さめのファンドが投資家に好まれる

昔は大手VCがほとんどのリターンを独占していたが、企業系の新規参入者(これはインキュベーター、アクセラレーターも含めて)が多数出てきたことで模様代わりする。

(7) 投資チームにダイバーシティが求められる

女性、国際チームなど。その方がリターンが良くなるであろう。

(8) 創業者にダイバシティーが求められる

男性だけのチームよりも、女性が創業に混じっている方がStartupのリターンが良くなる傾向が見られそう。1/5のStartupが女性のFounderを求めている(男性だけではない)。

(9) EarlyとSeedのファンドは緩くならない。より専門性が増す(クラウドファンディングだろうがエンジェルだろうが)

(10) 起業家の多くがマイノリティになる

今までと違った層の起業が増える。女性、白人以外など。2015には41%の起業が白人(男性)以外であった。

上記を見るに、これは日本でも企業系の投資は結構増えてきてますね。景気の変動により停滞もするでしょうが、大手企業がなかなか自力で新規事業を興せないのは特に日本だけではなく、欧米でも同じであり、途上国のスピードが早い今、世界はより、事業創造できる人に価値が付き、より、その事業創造できる人自身にもダイバーシティが求められるということかと思います。

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