01Blog / 何も無いことは悪いことじゃない、欠乏こそイノベーションの原点

投稿者:Goda George
2016/01/25 00:00

昔、シリコンバレーに行った時に「シリコンバレーには産業が無いんだ」と言われたのを思い出します。そんなに英語が得意でも無いので、聞き間違いかと最初は思いました。今は、産業が無かったからこそシリコンバレーができたのだと理解しています。

何も無いこと、欠乏していることは決して悪いことではない

ということだと思います。さて、ベンチャーキャピタル(VC)の歴史を少し調べてみると、WW2の前においては企業セクターが一部、小さい起業に色々出資するような場合はあったようですが、そこまでメジャーではなかったようですが、戦後にAmerican Research and Development Corporation(ARD)を皮切りに、帰還兵と軍用の技術を民生化するというニーズに基づいてVCが始まったようです。簡単に言えば戦争が終わった後の雇用対策とでもいいましょうか。NOKIAがAppleやSamsungとの闘いの元に大リストラをしてブリッジプログラムで起業支援しましたが、少し似てますね(ここにまとめてあります)。さて、先のARDではDECの成功が大きく、その後のVCと起業を盛んにしたようですね(参考)。

シリコンバレーの歴史はこの資料に良くまとめられております。2ページ目の真ん中・左の資料が興味深いですね。

「しかし、卒業生は東部に流失」

どこかで聞いたことがありますね。東部にはMITやハーバードがあります。下記の言葉を聞いたことはありますね。

「東京、大阪、福岡に卒業生は流失」

もう一回、最初の言葉を振り返ると、

「しかし、卒業生は東部に流失」

とあります。この流れはここに詳しくかかれております。スタンフォードは最初は誰も知らない田舎の大学で、途中で工学部が強いね。ぐらい。実に30年〜40年の時間をかけて今のシリコンバレーがあるということです。やはり、中国のように100年先、とまでは言えませんが、50年後を考えた発想は必要ですね。もちろん、一人ではないでしょうが、スタンフォードのフレッドターマン教授の活躍が大きい。企業誘致、人を呼ぶ、よさ気な人間に起業させる(代表例がHP)などなど、様々な努力の元に今のシリコンバレーが有ります。

「結局は人」

なんでしょうね。さて、まとめてみると、日本では、何もない、市場がない、資源がない、人が居ないなどのコメントはよく聞きます。地域ではなおさらでしょうか。しかし、歴史の連続性の長い、世界的に見て平和が続いた日本では長い間培った様々なリソースの存在が確認できます。問題は、何も無いから⇒できないという言い訳に使ってしまっていることではないでしょうか。殻に閉じこもって守ってもOKですが、必ず世界には競合が存在しますし、もっと言うと、必ず他国も居ます。地域だけ、都市部だけ、日本だけでは未来は決められないのです。

「何も無いのが問題ではなく、何もしないのが問題である」

と思えます。移民の問題等も含めてシリコンバレーを日本に創ることは難しいと思います。しかしながら別の選択肢はあると思います。仮に何も産業がない(産業が少ないが正解ですが、それでも世界的に見たら相当地域も含めて産業はありますけどねー)というのであれば、それはまさにチャンスではないかと思えるのです。

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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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