01Blog / 愛社精神を考える

投稿者:Goda George
2016/02/12 00:00

「愛社精神」という、日本独自の不毛な発想という冨山さんのエントリーがあり、なかなか刺激的だと思って拝読しました。ここで問題になっているのは「過剰な共同体意識」による「会社や社員を存続させるために事業がある」という極端な共同体意識だと思えます。これは確かにそういう傾向があるなぁとは思います。共同体を出てしまえば普通にアナーキーな事業競争です。社外に社内のルールがそのまま通用するように思っている人は多いようには確かに感じます。

ここに愛社精神の日米比較の例があります。会社にどう貢献できるか?そこに最高の場を与えるという貢献度が米国の愛社精神でしょうか。逆に忠誠心に近いのが日本でしょうか。比較的長く居るのであればコミュニケーションコストは日本の方が少なそうです。一長一短でしょうね。では、米国が良いか?というと、貢献しなければ外に出ざるを得ないので、これはこれでストレスでしょうね。

ここにも解説があります。エンゲージメントという指標で国際比較しております。エンゲージメントとは「組織の成功に貢献しようとするモチベーションの高さ、そして組織の目標を達成するための重要なタスク遂行のために自分で努力しようとする意思の大きさ」ということですが、インドや米国の半分。韓国よりも低い。

愛社精神とは微妙にエンゲージメントは違いますが、なぜにまた日本はこんなに低いのか?では愛社精神は無いのか?となってしまうとそうとも言い切れない。逆の言い方をすれば、

組織に貢献しなくても、組織の目標に対して努力しなくても日本では問題ない

とも言い換えられますね。では、なんでも悪いか?というとそうでもない。何が良いか悪いかは相対的なものであり、きっと愛社精神の定義とその方向性に依るのではないか?と思えるのです。

ここに糸口が書いてありそうです。愛社精神にも3つあると。年功序列・終身雇用による「奉仕精神」ですね。言わば「家制度」による家族というか武士というかそんなイメージがその一つ。次が「恋社精神」であると。例えば、カッコいい会社でいいなー的な。最後が成長の機会があったので、会社に感謝するという「愛社精神」。最後の一つが上でいうところのエンゲージメントに近いですね。

さて、誰もがコミュニティ意識や帰属意識を持つと思えます。なので、これが良い悪いという議論は程度にもよると思います。より事業創造を、というのであれば・・

共同体意識は必要であるが、過剰ではなく、事業ではなく共同体の存続をあまりにも目的化するのは問題。会社がセキュリティになっていたが、それではもう立ちいかないので、組織に貢献して行くこと。また、組織側も個人に貢献する(場を与えること)が必要。自己実現により、その組織(会社)に愛社精神を持つことという。受動・守りではなく、能動・攻めの愛社精神が今こそ必要になっているといえるのではないかと思えます。これは逆に言えば市場環境の変化であり、前者は以降の先進国では衰退や不正をもたらしてしまうということかと思えます。

ここに、私が初めての社会人経験をさせて頂き、今でも自分が正しい意味での愛社精神を持っている会社が、正しくない愛社精神によりあのような状況に陥ったことを非常に残念に思います。多くの企業が過剰な共同体意識に陥る事なく、正しい愛社精神に切り替えていくことを切に願います。


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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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