01Blog / 新聞の世界はどのようにイノベーションのジレンマを乗り越えていくのか

2016.02.23

World Association of Newspapers and News Publishers(WAN-IFRA)は世界の新聞大手で創る非営利団体です。ここに世界の新聞の状況がまとめられております。Decline of newspaperということでこの危機に関しては議論がされておりますが、下記を見るとその状況が分かりそうです。

https://en.wikipedia.org/wiki/Decline_of_newspapers

簡単にWAN-IRFAまとめると下記になろうかと思います。

・先進国では紙の新聞の発行部数は減っている。途上国では伸びている

・新聞の収入は紙に関して広告、販売と共に減っている

・紙面に比べると桁が違うもののデジタルにおける売上がEmergingで伸びている

日本の新聞社は発行部数が大きいですね(世界の一位が読売、二位が朝日)。これは日本は宅配型に対し、他国は売店で買うというところが大きな差がありますね。インフラになっているのが日本、そうではないのが海外。中国やインドの新聞ですらそこまで発行部数は大きくありません。

つまり、新聞を取り巻く競争環境は日本とそれ以外で大きく異るということです。

これは2つの側面があります。日本が世界のイノベーションを牽引できる可能性もあります。あるいは、世界のイノベーションの黒船に変化をもたらされるのか。いずれにしろ、今後は様々な変化がありえます。

沢山変化があるので少し記載しておきます。

1. 大手企業の動き

Amazonがワシントンポストを買収したのは大きな流れです。Indipendentは全国紙として初めてデジタルのみの世界へ。Googleの動きを2つほど。一つはThe Digital News Initiativeです。アクセラレーションプログラムに近いですね。ヨーロッパでの動きです。Google News Labはなかなか多肢に渡る活動です。ジャーナリズムに詳しいわけではないですが、コンテンツは重要。コンテンツ+広告というのが新聞の収益だと思いますが、AmazonもGoogleも前者がコンテンツプロバイダー寄り、後者が広告寄りですね。巨塔のAppleはどうでしょうか。新規参入と既存プレーヤーの攻防と協力が激化しそうです。

2. スタートアップ

ここにジャーナリズムという観点でStartupを行う上でのまとまったガイドがあり、世界各国から11個のジャーナリズム系(ニュースページ系)のスタートアップの紹介もあります。先進国から途上国まであるのでご興味のある方はどうぞ。

ジャーナリズムもニュースも無くなる未来は無いでしょうが、形もプレーヤーも、ビジネスモデルも変わってきそうです。完全なるイノベーションのジレンマ系の市場なだけに多くの新しいスタートアップが生まれてきそうな激アツな市場であると思います。

成功した企業は、きまって誰かがかつて勇気ある決断をした。 by ドラッカー

新聞関係に関してまとまった資料が日本語でもあったので参考に。

コネクティッド時代のジャーナリズム from fatsaiu2b

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