01Blog / なぜあなたのピッチには迫力がないのか?

2016.02.28

ピッチはエレベーターピッチに代表されるように短い時間で相手の心を使むプレゼンテーションです。

職業がら様々な地域、海外、様々な業種の会社の方、起業家などなど、様々な人のピッチを聞きます。ピッチは本当に人それぞれです。個人のピッチの能力もさることながら、単純にテクニックではない何かを感じたのです。

日本はコミィニティが強い文化です。例えば、地域、会社、その他。つまり、同じプロトコルを持った集団で固まりやすいということですね。例えば鹿児島であれば桜島は心のふるさとですし、山口の萩では吉田松陰。高知は龍馬など。会社は会社で自社製品にサービス。素晴らしいと同時にダイバーシティには弱いともいえると思います。なぜなら、他のコミュニティに属する人はそこにほとんど共感をしないからです(共感するプロトコルを持っていない)。

コミィニティの中では言語(方言・会社内の造語)に加えて、価値観も共有されております。これはコミュニケーションコストが非常に低いという事と等価であり、逆に、コミュニティ以外の人に関してのコミュニケーションコスト(障壁)が高いことになります。しかしながら、人はこの当たり前の事を忘れる傾向にあります。

もう一つ、基本的に良い人が多いので、その話があまり魅力的ではなくでも辛抱強く聞いてくれる人が多い傾向があります。

これに対し、ピッチは基本的に初めて会った時間のない人の心を短期間に掴むとなると、全く上記と別になると思います。また、会社の方では例えば事業創造プログラム等を実施した後にピッチを実施する理由に関して何故か?と思われる事があるようです。これは少なからずのカルチャーショックで、スタートアップではピッチをしないという選択肢が無い、是非、したいと思っているケースが殆どであるので、これも一つの「文明の衝突」ともいえます。

少しまとめてみます。もちろん、人にも依りますので、私の感じた一般的な感覚を書いてみます。

・地域のプレゼン(ピッチ)の問題点はここに書きました。

・起業家のプレゼンは生存の叫びであり、是非、色々な人に、自分を知って欲しい、見て欲しい。このため、会社の方に比べると外部の人の心に響きます。時に悲痛であり、時に楽しそうです。

・会社の方のピッチは人にもよりますが、社内の(同一コミュニティの)上司の許可を得るという形に見えます。このため、上手いか下手かというよりも、社外の人にはそこまで響きません。何故なら、外部のコミュニティに対して話していないのですから。

・コンサルティング系の方のピッチにみられるのは、アラ探しをされないようなロジックで固めたものです。突っ込まれない事を前提としているように見えます。

全ては人に依るんですが、そもそも、

本質的に自分は何のためにピッチをしているか

が重要だと思うのです。ハッキリ認識されていなくても、実は自分の心の目的がピッチに現れてしまう気がします。後は、自分の経歴や経験に非常に引っ張られます。

相手はそもそも自分の話を聞きたいとは思っていない。できれば帰りたいと思っているとしたらどうでしょうか。その人に自社の説明を長々としたりしないと思います。そこに自分には関係ない(自分に向けられていない)話には当然興味は更にありませんし、自己弁護の発言を聞きたいとも思わないでしょう。

是非、相手は自分の話を聞きたいとは思っていない。だとしたらどうするか?何を自分のピッチの目的としているのか?という本質的なところを熟考してみるのも良いと思います。

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