01Blog / ベンチャーとのオープンイノベーションで大手企業がやってはいけない5つのこと

投稿者:Suzuki Norifumi
2016/03/02 00:00
昨年2015年は大手企業とベンチャー企業によるオープンイノベーションの初期微動が起こり、2016年に入りさっそくうねりが起こり始め、新年度に向け多くの企業が実際の活動準備に入りはじめています。日本の事業創造力を上げることがミッションである01Boosterにとって、国内事業創造のマグマ溜まりが大きくなっていることに日々興奮しています。 一昨年から国内において先行して実施している「コーポレートアクセラレーター」はアイディアソンやハッカソンのような擬似的な事業創造活動ではなく、出資を伴い実際に事業の立ち上げまでをやることを明確に設計図に織り込んでいる画期的なプログラムだと思っています。学研アクセアレーターに始まり、森永アクセラレーター、ウィルグループアクセラレーターと続き、この仕組みの持つ可能性を日々強く感じています。

さて、この「コーポレートアクセラレータープログラム」の運営には細心の注意を払って臨む必要があり、1つ1つのオペレーションの設計や運営者サイドの言動がプログラム全体の価値を毀損するリスクを孕んでいるため、そのポイントを整理してみます。

①出資を伴わない
大手企業が自分事として本気度を持つためには出資を伴う必要があります。少ないシェアでも出すのと出さないのでは、投資サイドもさることながら、発行体サイドでも「身内・仲間意識」に圧倒的な差がうまれます。イノベーションを共創する活動であるためにはこの「身内・仲間意識」が必要であり、出資したベンチャー企業を支援することが、自社の出資した株式価値を高めるという利害一致することが重要となります。

②マジョリティをとりたがる
一方、出資したからにはマジョリティをとりたいというのが多くの企業様が考えます。そもそも、ベンチャー企業へマイノリティ出資をしたことがない企業様がほとんどですので、マジョリティ出資の関係性が分からないということかと思います。そこにはベンチャー企業のインセンティブを最大化するための配慮でもあり、企業が数多くリスクをとるための工夫でもあります。

③ベンチャー企業に期待しすぎる/自社の戦略に従わせる
はじめから、自社の戦略のピースに綺麗に填まることを期待しすぎることは禁物です。多くのベンチャー企業は大手企業を向いて事業創造しているのではなく、顧客を向いて、市場を向いて、世界を向いて仕事をしています。まずはベンチャー企業の事業を成長させることに注力し、リソースを投入するプロセスを通じて少しずつ大手企業の事業との融合を図っていきます。

④下請け扱いをする
これは当たり前と言えば当たり前なのですが、実は言動の端々にそれが見え隠れすることがほとんどです。むしろ無意識にそうなっていることがむしろ悩ましく、ベンチャー企業はそれを敏感に感じ取ります。事業が綺麗に立ち上がり、大手企業の事業と融合することは合理的なものではなく、結局は人間同士の信頼関係によってきます。従って、大手企業とベンチャー企業がイコールパートナートーとなることが必要です。

⑤スピードが遅すぎる
ベンチャー企業と大手企業の意思決定スピードの差はかなり大きく、大手企業の意思決定の遅さがベンチャー企業のスピードを鈍化させないように十分配慮する必要があります。支援しているようでベンチャー企業の手間になっているケースも多くあります。

以下、弊社が加盟しているGlobal Accelerator Networkのクライテリアにも以下のようにあります。

All accelerators in the GAN favorable to entrepreneurs.(出典:ACCELERATE written by Luke Deering)
Terms are favorable to entrepreneurs.(出典:GAN’s Program Criteria)

どれだけベンチャー企業に好意的な取り組みができるか、これがコーポレートアクセラレーターの成功要諦となります。
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投稿者
Suzuki Norifumi
代表取締役CEO 01Booster Inc.

大学卒業後、ゼネコン主計部門を経て、カルチュア・コンビニエンス・クラブ入社、管理部門を統括するコーポレート管理室長。東証マザース上場、東証1部指定替えプロジェクトメンバー。その後、エムアウトにおいて教育事業「キッズベースキャンプ」を創業するとともに、兼務で新規事業開発シニアディレクターを歴任。同事業を東急電鉄に売却するとともにその後3年間のPMIを経て、同社取締役退任後、事業創造アクセラレーター株式会社ゼロワンブースターを創業し、起業家支援、企業向け新規事業開発支援事業を展開。日本を事業創造できる国にして世界を変えるために事業創造プラットフォーム構想を推進している。

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