01Blog / 市場環境の変化への対応をどう大手企業に取り入れていくか

2016.03.23

21世紀の文盲とは、読み書きできない人ではなく、学んだことを忘れ、再学習できない人々を指すようになるだろう by アルビン・トフラー

市場が変わってしまった

コーポレートアクセラレーターの記事を多くの方々にお読み頂けました。ありがとうございます。日本の中に変革を興したいという機運を強く感じています。様々な産業の大手企業の方々とお話しますが、元々は日本の花型であった電機業界が厳しい状況であることはよく分かります。小生は電機メーカ出身ですのでこの原因も非常によくわかります。

つまり、市場が全く変わったのです。

市場の変化に対応できる企業・対応できない企業

この変化に強く対応しているのがGEでしょう。元々はエジソンから始まり、ジャックウエルチの選択と集中戦略、そして現在はイメルト氏のデジタルインダストリアルカンパニーへの大胆な変革です。これは革命と言っても良いでしょう。なんと、全体の半分以上の利益を出していたGEキャピタルまでを売却です。ここにまとめましたが今は今までの歴史上一度も無かった時代です。つまり、再学習が必要なのです。結果はまだわからないかも知れませんが、GEはあっぱれというしか無いでしょう。

市場AからBに伴い、システムと文化の「再教育」が必要に

下記の図のような状態です。市場Aから市場Bに変わりました。特に先進国の伸びが止まり、中国のようなインパクトのある途上国の伸びも停滞を見せる全く新しい市場Bです。上のGEの例を取ると市場Aで重要であったジャックウェルチの「選択と集中」戦略(システム)、そしてそれを支える企業文化A。市場Bで必要となるデジタルインダストリーへの推移(システムB)とそれを支える企業文化Bです。この変化をまさに「本気」で実施しているということです。


既に電機業界の危機は今始まったことではなく、何年も前からの事です。優秀な人もいましたし、様々な努力もしたと思いますが、もう一歩の革命的変革が必要になっていると思います。冨山氏の記事がそれを非常に端的に表しています。日本企業に良い点が無いとは思わないですが、新卒一括採用主義は確かに厳しいかも知れません。これが悪いわけではなく、今の市場Bに合わなくなってしまっているということだと思うのです。

自前主義と良い会社

自前主義は非常に今後問題になると思います。それは例えば自分たちに都合の良い存在しない顧客を発明してしまうことにもあります。宣伝文句で当社比というのは良いでしょう、しかし「自社の今までと比べてどうの」という評価を見たことがあります。問題は、外部とどうか?だと思います。自社の都合では他社や市場は動きませんので。外部からの評判はともかく、自前主義の強い会社は社員にとって良い会社であると聞くことも多いです。「良い会社」に時に大きな問題が潜んでいるのです。

新卒一括採用時代の終焉と新陳代謝

確かに冨山さんのおっしゃるように新卒一括主義では他社が何かを持ってきても、自社が一番、うちにもこんなのはある!となってしまいますね。ありとあらゆる業界で本当に良く聞きます。なんでも外部が良いというわけではないのですが、ポートフォリオだと思うのです。将来的に大きくなるビジネスは小さくて若い組織に任せ、その買収で新陳代謝を実施する。このオープンイノベーションの流れを実装できるかどうかが今後の今まで歴史上一度も無かった市場に対応できるかどうかの試金石になるような気がしています。

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