01Blog / 起業直後の無給を耐えるということ(01Booster3年間無給の件)

2016.03.23

01Booster共同創業者である合田ジョージの01Blog / 起業では固定費を落とせる勇気を持とう!の中にある3年間無給であったことの反響が大きいです。

まずは本当なの?というところなのですが、本当です。創業から3期は役員報酬はゼロでした。ゼロどころか、01Boosterのオフィス利用料を払っていました。それは01Boosterを拠点として各参画メンバーが自分の事業を立ち上げるという前提があったからです。

傾向的にアメリカのアクセラレーターは事業エグジットのトラックレコードがある人が投資家の立場でやることが多いため、キャピタルゲインで生活に困らないくらいのキャッシュを持っていることが多いですし、ヨーロッパでは行政のお金が入っているケースも多くあります。日本の場合は事業をエクジットした人が支援側に回るケースが未だ少ないですし、補助金や助成金も少ないです。投資ファンドを持てば固定の管理報酬が入ってきますが、01Boosterにはそれもありませんでした。

とはいえ、私もジョージも家族がおりますので、何とか生きていかなければいけません。二人とも直前に事業をエグジットさせていますが、余裕あるキャッシュ等もっていませんでした。実は、貯金を切り崩しながら、それぞれがもっている会社でコンサルティング等のラーメン代を稼いで生きていたというのが実態です。

なので起業される方の不安や起業後に苦労される方の気持ちは非常によく分かります。今になってみれば「貴重な時期」であったし、このような時期を耐え抜いた経験が今の事業に自信をもって活きていると言えますが、もう1回やれと言われればゾッとします。それぐらい今の生活レベルを変えるというのは大変です。

無給はやりすぎにしても、このスタートアップ期に生活できる最低限の報酬でいることには賛否両論あると思います(各立場で理論は違いますが)。とはいえ、まだまだ日本の事業創造環境では十分な資金がないのが実情ですし、失敗に対する不寛容な雰囲気もあって、できるだけ固定費を下げざるを得ないのも事実だと思います。エクイティファイナンスを受け、きちんと報酬を払って優秀な人材を確保するという考え方もあります。とはいえ、日本人が脈々と引き継いでいる清貧であることが美しいということに通じるのでしょう。周囲の支援を受けるためには身を削ることが必要なのかもしれません。

これは決して美談でありません。恐らくバッドケースでしょう。無給で起業しようとする人なんてほとんどいませんから。もっともっと起業しやすい世界を創るのが01Boosterのミッションです。

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