01Blog / 未来を観て事業を創るということ「ゼロからイチまで、01Boosterを振り返って」

投稿者:Goda George
2016/04/14 00:10

明確にやりたいことがあって起業した人に実は殆どあったことがないというブログをまとめました。逆にやりたことがあって起業する人も少なからず居ると思います。但し、問題はそのやりたいことやビジネスモデル(プラン)というものがそのまま当たる可能性は0%に近く、何がしかの方向変更(ピボット)を行うということでしょう。

ゼロからイチってどんな感じなんだろう?

ゼロがイチになった後は、計画には無かったが積み上がって咲くものがあります。アマゾンのベゾスがロケットを創ったりするのは最初からそう思ったか?というとアイデアはあったかも知れませんが、後で思いついたこと(ゼロがイチになってその後)と思えます。

さて、今の01Boosterはゼロ(シェアオフィス・コワーキングを始めるところ)がイチ(コーポレートアクセラレーターとしての事業体)になったぐらいではないでしょうか。今後、1を10に、100にと伸ばしていくのですが、ゼロからイチというのは、ではどのようにそうなったのか?というのが多少なりとも学びになるのであればということで少しまとめておきます。

結局のところ最初から答えは心が知っている

直感とでもいいましょうか。これは結局こういうことをやっているよねー。というものは一つな気もしてます。確かにやっていることは10年も前から振り返れば「思いもしなかった」ことではあるんですが、同時にまぁ、こんな感じになるのは必然だなぁというところです。

何が言いたいかというと、ざっくりはやりたいことはあると思うので、結果を見て、それは確かにこうなるなぁと思うイメージです。会社勤めだったら色々上司が決めたりするんでしょうが、最初の会社の最初の異動以外は全て自分で(会社内でも)決めてきたのでですね。その数は大きく分けで6回(社内公募、転職、転属、ベンチャー参画、買収先退社、01Boosterに集中)ですね。

シェアオフィスとオッサンバイアウト組

シェアオフィス(コワーキング)なるものが01Boosterの最初になりますが、これはワタクシ的には全く興味なし。一種の不動産ビジネスですが、不動産ビジネスは全く知らなかったし、興味も無かったです。コワーキングが色々立ち上がっている頃で、1人だったら絶対選択しない事業です。これはオーラ鈴木他に誘われました。買収先を退社したあとで、さて、どーしたもんか?と思ってたので、悪く言えば暇つぶし的な参画ですね。

オーラ鈴木とは大学院の関係者ですが、性格が全く異なるので、ほぼ一緒にやることは想定してなかったですね。

但し、このシェアオフィス(コワーキング)なんですが、コーポレートアクセラレーター(シードアクセラレーター)では必須とされてまして、かつ、そんなに儲からないので運営が難しいんです(80社以上が居て、未だにちょっとプラスぐらい)。今でこそ120坪の東京では大型のオフィスになってますが、これも素晴らしい不動産屋オーナーさんとの縁に恵まれての事です。

アクセラレーターではオフィスの必要性が定義されており、オフィスを運営していて良かったと気付くのは実に創業から2年以上も後です。

大小多くの失敗

01Booster自体はそもそも起業系が運営しているので、インキュベーション能力は結構高かったようです。結構な成長企業がでてきました。ファンドを持とう(ファンドは難しくて、規模が大きくないと基本的に手数料なので運営が難しいのと、ファンド期間で縛られる、ファンド規模が大きくなると、ゼロからイチではなく、イチや10から上のところで投資する方向に行ってしまうというジレンマがあります)、起業家自体から取れるか?など01Booster自体の事業も模索しましたが、今ひとつ。かつ、そもそもは01Boosterを一つの拠点として事業を興したい人が集まるという形だったので、私自身も海外展開やらなにやら色々実施しました。魔法にかかったように失敗しましたね。列挙すれば、

  • 某大手ベンチャーキャピタルに入ろうとした
  • 某独立系ベンチャーキャピタルに入ろうとした
  • 大手インキュベーターに入ろうとした
  • 国際系の人の会社で一緒にやろうとした
  • 国際系のもう一社の会社で一緒にやろうとした
  • 某投資系からテック系会社のCEOをやらないかといわれた
  • アメリカのStartupにジョインしようとした
  • 付き合いのあったコンサル系から外資の日本の支社長を勧められた
  • 立ち上げた海外展開の別社でどうしようかとした
  • ・・・など


思い出すと2年ぐらい01Boosterは相変わらずシェアオフィスに毛が生えたぐらいであったのですが、個人として様々な失敗をしました。

余裕があると人間ろくなことをしない

これは本当にそう思います。そんなにお金があったわけではないですが、キャピタルゲインが多少あったので、今日は生きていける。そうすると、(私だけかも知れませんが)人間は本当にろくなことをしないと思いました。事業化しないのであればスポット的なコンサルもなんとも。。お金が入ってくると人間は弱い。受託の罠から抜けるのは本当に難しいです。私も仕事を合わせてですが、年に30回ぐらい海外に行って年の半分ぐらい海外に居たりしてました。

コンサルでラーメン代を稼いだりすると「人的ネットワークができる」「ノウハウが貯まる」ということには確かになるんですが。。

問題はアセットなんです。会社としてアセットは何が残っているのか?

スタートアップは後ろを振り向かない

そんな中でインキュベーション能力はあったが、これ自体、つまり、起業家支援はお金にならない。そんな中で成長したベンチャーの感謝祭に行きました。元々は立ち上がりが難しくて、パソコンも買えそうに無かったから、お古のMac book Airをあげたりもしてました。

調達をして人が増えます。スタートアップは成長が早いので、止まっている自分はあっという間に追い越されてしまいます。他にも色々ありましたが、最初は非常に厳しい環境ですが、成長し出します。「恩知らず」と言われてもスタートアップの面々も困るでしょう。そんなもんです。

多分、インキュベーターのジレンマってここにあります。自分は変わらないのに、支援先はどんどん大きくなってしまう。でも自分は変わらない。特にスケール型の起業に携わった経験のある人には耐え難い環境でしょう。

「俺は一体何をやっているんだろう?」

スケールし出したスタートアップの感謝祭の飲み屋の末席でなんとも言えない想いを味わったものです。

これ、流石にもう事業をやろう

と、オーラ鈴木に言ったのはその頃ですね、まだ、持ちますが、流石にキャッシュの底が見えてきたのは01Booster開始から、2年ぐらい経った時ですね。

起業2年の法則をまとめましたが、いろんなことをやるんでしょうが、人が様々な想いを良い意味で「諦めて絞る」のに2年ぐらいかかるという気もします。2年の間に01Boosterは01Dojoという起業立上げプログラムだけは実施していました。シェアオフィスに毛が生えたというところです。

その時残っていたもの

さて、様々な右往左往を繰り返し、その時残っていたものは

  • なんとか(給料が出るレベルではないが)黒字化していたオフィスと入居起業群
  • 月に2回はなんだかんだいってイベントを行って、01Boosterの知名度も若干
  • インキュベーション結果はそこそこ上々
  • 大企業出身のオッサンバイアウト組
  • 大手企業からの多数の問い合わせ等々
  • 01Dojoという起業立ち上げプログラム


コンサルやらなにやらで企業とのネットワークはありました。そんな時に、TechStarsの事を教えてもらいました。いわゆるメンター主導型アクセラレーターというものです。企業と組んでアクセラレーターをTechStarsが実施して目立っていた頃ですね。

これ、僕らにまさにピッタリじゃん?

アクセラレーターにはオフィスが必要、起業家が運営、10%程度の出資など、様々な条件があります。かつ、会社と実施するアクセラレーターには大企業側の意向を汲めないとならない。01Boosterの運営者はビジネススクール系なので、そもそも大企業経験者をリクルートするのは他の方に比べて非常に容易です。また、日本は大手企業が長い間停滞しているので、イノベーションを欲している。独立系なので出資も可能です(ファンドは上述の通り何回か検討もお声がけもされましたが今日まで実施してませんが)。

創造と変革と落ちこぼれ起業家の偶然

そもそも、社長以外には変革はできないと悟って、私も大手を辞めて来た身、創造にしか興味がありません。そんな中、学研さんと森永製菓さんから(この時はたまたま、後で考えるとかなり難しい確率で)、アクセラレーターを受注できました。日本では本格的なコーポレートアクセラレーター(オフィス、起業家運営、出資など)の運営が実施できました。

今考えると奇跡ですね。大手企業出身のバイアウト組が2名運営者(しかも性格も合わないので、01Boosterのシェアオフィス運営の話が無ければ一緒にやる可能性は無い)で、独立系では難しいオフィスも運営できていました。

ハッキリ言いますが、アクセラレーターを運営している我々は落ちこぼれ起業家だと思います。イケている起業家は人の支援するならば自分でやりたがると思います。

あれ?このコーポレートアクセラレーターって、創造と変革の両方が同時にできるじゃないか?

長い大手企業の苦渋の想いが無ければ、海外と異なり、大手社内向けの活動が80%以上(海外は殆ど無いらしい)の日本のコーポレートアクセラレーターを運用する気にはならないと思います。

簡単にいえば(事業立ち上げに時間がかかる上に、出資はしているがバイアウト市場はそこまで活況ではない日本では)非常に効率の悪いコンサルになります。他が参入できないのはこの理由が大きく、強い参入障壁にもなりますが、鬱屈した苦渋の想いが無ければ続けるのは困難な業態です。多分、最初の3年間は最高の社会起業?とも言える状態ですので(3年間無給で起業支援をしていたとも言える)。

コーポレートアクセラレーターが3年無給でなければ立ち上がらないほど、非常に難しいものであったこと、それを何故我々が実施したのか。計画的偶発性の塊の偶然とも思えますが、必然でもあると思えるのです。無神論者ではありますが・・・

まるで、神がオッサンに授けたようなものだとも思えます(勘違いはしてませんが、まぁ、これぐらい偶然が重なった必然だと言いたい)。

集中と事業化に向けて、ゼロがイチになるということ

さて、ここまでは、ゼロを0.1とかキャッシュが得られたというレベルでしょう。私も人よりはホスピタリティも高いし、人の役にも立ちたいですが、人の支援を「起業家」がするのは物凄い酷なものです。これを事業化するという決心をしたのは実に01Boosterを立ち上げて3年も経った後になります。まるで図ったかのように、同時に進めていた海外展開サポート事業は崩れ落ちました。ただ、もしかしたら、それを自分の心が望んでいたのかも知れませんね。

集中して他の事は一切やらないというのが今のスタンスです。一つに集中するといろんなことができないと思う人が居ますし、私もずっとそう思っていました。一方で、今は全く他の事をやる気が起きません。結局、事業化する時は様々な事が必要になるので、他の事をやる気になれないのです。そして、つい最近こう言えるようになりました。私の心の中ではゼロがイチになった瞬間ともいえます。

我々01Boosterはスタートアップです。

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投稿者
Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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