01Blog / 企業主催アクセラレーターは『下請け探し』なのか?

2017.02.03

コーポレートアクセラレーター(以下CAP)をこれまで14本運営し、今年に入りさらに複数のアクセラレーターを準備しています。CAPを運営するプロセスでは多くの気づきをいただいています。コーポレートアクセラレーターは未だ黎明期であるため、これらの気づきはどこの教科書にも、メディアにも載っていないので毎日が改善の連続です。その中で大きなテーマが「コーポレートアクセラレーターは主催する大手企業の『下請け企業探し』なのか」ということです。

日本はもともと『KEIRETSU』構造で産業が成り立ってきました。大手企業を中心点とした下請け企業、孫請け企業がその下部組織として業務の一部を受注していく構造です。ちなみに私は新卒でゼネコンに入社したので、その構造をまざまざと見てきました。ゆえに、大手企業とベンチャー企業による共創活動は自然と「発注者(上)→受注者(下)」の上下関係になっていく慣性の法則が働いています。そして、この関係は働く日本人に染み込んでいるため、無意識レベルでそうなるのが特徴です。

そうなると、大手企業の思考のフレームの中で不足するミッシングピース探しになるため、従来大手企業では創造できないような、本業に肩を並べ、超えるような大きな世界観を持ったビジネスはうまれてこないことになります。

アクセラレーターと称して以下のようなの活動になっていきます。

①選抜されるベンチャー企業がいつも同じ(タイプ)で、同じパターンの事業提携で小さいキャッシュを狙うモデルが増えてくる。

②育成支援するのではなく、業務等を受発注する関係になる。

③大手企業の事業部門とベンチャー企業がカタリストを介さず、直接コミュニケーションを取り、本業と少しでも競合することができない。

④業務の受発注なので、出資がない。

⑤業務の受発注なので、メンタリングがない。

⑥受発注なので、発注者である大手企業が上から目線になる。

⑦受発注で生まれたプロダクトやサービスを展示会等に発表することがプロジェクトのゴールになる。

簡単に言うと、「アクセラレーター」ではなく、従来よりあった発注者と受注者を結ぶ「ビジネスマッチング」になっています。これが、国内の大手企業とベンチャー企業が直接接点を持つと働く慣性です。ゆえに我々のようなアクセラレーターが触媒となり、等速直線運動している両社に介入し違うパワーにより、大きい世界観の事業創造に軌道修正を付きっきりでする必要があります。

01Boosterは上記の点を強く意識してコーポレートアクセラレーターを運営していますし、加入するアクセラレーターの国際団体Global Accelerator Networkのクライテリアでも上記に点に警鐘を鳴らしています。

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