01Blog / 起業の失敗を振り返る

投稿者:Goda George
2016/07/20 00:00

私事になりますが、2009年以降簡単なモノから難しい物まで約11個のチームを組成して2個が浮上(On Goingもあるので)したので、結果的に勝率18%、引き分け?27%(生存率47%)というところでしょうか(実際にはチョイ噛みだともっとありそうだが)。簡単にちょっとやってみようか?というものから比較的重たいものまで色々あったとは思いますが、失敗側を語る人はあまりいないので敗因を考えてみます。

起業の失敗の理由

起業の失敗の理由に関しては様々な解説があります(その1その2)。大きく分けると

  1. ビジネスモデルの問題:市場のニーズとシーズ(製品・サービス)が様々な理由で合わない、ビジネスモデルが悪い、競合に敗ける
  2. チームの問題
  3. 現金の問題(キャッシュがない、給料が無いなど)

に分類されるでしょうか。つまり、ビジネスそのものの問題、人の問題、それを運転する資金の問題ですね。これはよく言う起業の3要素「情熱・スキル・考え方」に近いかも知れません。情熱=ちょっと違いますが現金(ガソリン / カロリー)、チームはスキル(何かを実施する能力)に近い、考え方はビジネスモデルが良いかどうかですね。

チームの問題

これは良くありますね。一般的にあるのが、チーム全体で「行動する人」と「行動しない人」で分かれるケースです。コミット度もあります。当然ながらチョイ噛みで他にメインな仕事のあるチームのセカンドジョブ(仮に人材にはポテンシャルがあったとしても)ではうまくいかないですね。具体的には・・

  • 複数名で開始したが様々な理由、つまり、人間的あるいは別の仕事との兼ね合いで「手を動かす人」と「動かさない人」に分かれてしまい、関係が持続しない。フリーライダーが出てきてしまうと、創業系は良くないですね。
  • 創業系は皆が自発的に動かない(指示待ち)ケースや、取組むべきビジネスに対しての能力が違いすぎるとキツイですね。
  • 色々一緒に始めたが、チームでやりたくなくなる(組んでではなく、自分だけでやりたくなる)。これは組むメリットが無いと思ったり、あるいは、独占したいと思ったり、利己的・実質的がありそうです。
  • 一緒にやろうとしたが。途中で気乗りしなくなった。(良くあるんですが)週毎で打ち合わせしようという感じで、これは軽い連携なんかでもやるんですが、だんだん疎遠になってしまうケースですね。緩い連携・緩いチームというのはなかなか前に動かないですね。
  • チームとしては適さないと思われた場合。これも良くありますね。こっちが思った場合と向こうが思った場合。影響が強すぎるケースですね。特にネガティブ系でキツイ場合や、影響力が強く、会社の方針に影響を及ぼしすぎるなど様々な理由があったと思います。人は1名でも合わない人がいると(多様性という意味ではなく)チームには深刻な問題を生じますので、特に創業期は。

ビジネスモデルの問題

これは事業計画をしっかり書いてあるか、というわけではなく(特にスケール型は非連続の塊なので、そもそも、事業計画をしっかり創る意味は極めて薄い)、ビジネスモデルの考え方の根本的な欠陥です。私的には・・

  • 外国人に受けると思った観光アプリは全く相手にされず。そもそも「アプリの素人で日本人」にストーリーも悪ければ、外国人に受けるものを創るのは難しかったと思います。
  • 海外展開支援で中小企業をターゲットにしたケース。これはダメではないのですが、規模化が必要かと思います。大手でべったりやるか、バッチで集合で実施するか。そうしないと見合った対価になかなかなり難いです。また、会社にもよりますが、中小企業では体力が無いケースもあります。インバウンドや海外展開もそうですが、総論賛成・各論(実行)反対・行動しないというケース、後は、これは会社の規模に応じて、社内コストがアウトソースした方が安いケースと、高いケースに分かれるのもあります。
  • コンサルはキツイ。これは人にも依るでしょうが。問題を解決したら終わりですし、成果を出したら続くわけでもありません(顧客ができるようになってしまうので)。何か、特別に差別化しない限りは、会社の組織体としてのコンサルはともかく、何かの実務を個人的にコンサルするのは(何か特別な理由がある、つまり、ある部分を外部委託した方が常に合理的な場合を除き)私はとにかく、これはやりたくないです。連続しないので。
  • 全く、ワークしない場合もありました。これは海外からの留学生に携帯電話を持たせるプロジェクトですが、インセンティブ設計が難しい。かつ、留学生に広くリーチ出来無い。明確なメリット(顧客・関係者にとってのベネフィット)がない場合はビジネスはワークしないことを思い知りました。あったらいいねモデルは「当初」キツイですね。知名度が上がれば別でしょうが。
  • 成果報酬型ビジネス。これは相手にとってリスクが低いのですが、そのモデルがワークする(実績が出る)ことが分かる前にやると、ジリ貧になるかも知れません。
  • 何かで稼ぎたいときはコミットメンバーが必要。例えば、有料イベントを沢山やって稼ぐでも、Webの広告でもいいんですが(不可能ではないですが)、これをコミットしてやるメンバーがいないとキツイですね。そんなに楽にお金は入ってこないですね。

現金の問題

露骨に現金が無いという経験はあまり無かったのですが、多分、同じような理由としてその会社の株を持っている人がいて、自分が株も無いのにチームとして無償でやり続けるケースですね。これは当初はしょうがないという部分と、使われているだけとに分かれますが、チームでやる場合は、資本政策・株のシェアは後でもめる最大の原因の一つなので慎重にはなるんですが、全く今のペイも将来のペイも無い場合はやれない(会社員でプロボノしているのでは無ければ)気がします。「チームが維持できない」が正解かもしれませんね。ここの見極めは非常に難しいですね。

株の買い戻しは結構したので、株は難しいですが・・

色々な理由(先に入ってくるかも知れないキャッシュや株)を餌に走行するのはある程度の限界がありますね。お金を払おうとしない人も多いので、そういう相手と組む(チームとして、あるいは初度のお客として)のは様々な理由で厳しい。特に起業系の人は「自分のために働くこと」を知ってますので、(お金にそこまでこだわりという意味ではなく適正ではないと)ボランティアで何かを実施する(実施し続ける)気持ちは非常に少ないので、下記のような感じが無いとキツイですね。

  • 株をシェアして将来的なゲインが設計されているか
  • どのようなものでもペイをしているか

ビジネスモデルとして、期待キャッシュが少ないケースもありますね。例えば、同じ企業を相手にするのでも中小企業と大手企業では実質労働と対価がかなり異なります。また、「スタートアップ支援系」でマネタイズしようとするケースなどはかなりキツイ部分があると思います。お金のない人から取るモデルなので。ただ、スタートアップの意思決定が早いのでこの手を言い出す人は非常に多いのも事実ですね。難しいかも知れませんが、チームにジョインする(させ続ける)のであれば、株なのかペイがある必要があるし、マネタイズのメインの顧客にするのであれば、ちゃんと払う相手であり、かつ、労働に見合った対価を取れるか、取れないのであれば規模化で対応するなど、しっかりキャッシュを確保できないとビジネスの継続持続ができません。

継続持続(マネタイズ)できていないならば、社会貢献もできないので、この手の罠(マネタイズが弱いのに志に走ってしまうケース)は後を絶ちませんし、チームでも連携でも、何かのペイ無しに走らせて崩壊しているケースも後が絶ちませんね。

適正利潤なきところに社会貢献なし by ユダヤの教え
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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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