「ゼロからイチ」と「イチから10」への大きな違い

投稿者:Goda George
2016/08/20 00:00
累積戦略というのがありまして、いわゆる積み重ねの効果というものですね。これはかなり大きいと思います。ゼロをイチにすることとイチを2とか10にすることは別物ですね。特にスケール型のスタートアップでは「常識を疑う」「権威を疑う」「常に学び続ける」の3点セットが必要なので、その時点ではそのビジネスモデルは「できるのか?(常識的には難しいとか)」であり、なんのオーソリティ(権威、知名度など)もない。かつ、初物だったりすると当たるまでに試行錯誤するのでトライアンドエラーの連続(常に結果から「客観的」に学ぶ)になります。

実績というものの効果

これは既にそのビジネスがワークしているのであれば「ある程度は常識化」していることであり、実績は一つの権威です。実績があるということはある程度の成功例・実施例もあるということなので、試行錯誤の(途中だったとしても)一つになります。実績があれば後はそれを広げれば良いので、最初テスト的に数件の実績を創るのと、その後でそれを広げることではやることは違います。

最初の実績を創る場合、どの世界にも「イノベーター」は居ます。そのような人となんとか仲良くなったりして実績を創る。それをベースに幾つかの小さい実績を創って広げるですね。

例えば最近の01Boosterは日本を事業創造できる国にするには首都圏だけでは不十分なので地方自治体や地域金融機関等との取組が多数進んでいます。ただ、最初は仮に地域であれば交通費自腹、謝礼も何も要らないのでセミナーでもというのも難しかったです。(人にもよるでしょうが、ある水準を超えた有名人でなければ)個人としての実績が仮にあったとしても、会社としての実績やら何やらで話が進みません。理由は様々でしょうが、会社や個人としても実績が出るとその後はかなり話が異なります。

その食べ物が美味しいかわからないが食べてみるのか、美味しいと分かったものを人にも勧めるかの違いでしょうか。

アセットという土台

実績に近いものですが、例えば、人的ネットワークやら、実績もアセットの一つですね。知名度もあります。ユーザーベースもあるでしょうし、大手企業相手であれば口座を開くのが難しいので、口座(取引実績)の数もアセットになります。

01Boosterであれば10件を超える出資実績やら90を超えるコワーキングオフィスへの入居企業だったり、月間8本以上は出しているPress Releaseなどによる知名度向上だったり、数千を超える登録ユーザやFacebookの1万を超えるいいね数だったりでしょうか。これらは当然ある日に突然できたものではなく、積み重ねですね。例えば出資先であれば色々頼みやすいし、ユーザベースがいればイベントをやる上での聴講者へのリーチも楽になります。少し下駄を履いているようなイメージでしょうか。

例えば、何か参考図書の極めて少ない新しい言語をマスターするようなものでしょうか。仮に、英語を得意になった実績があれば(これはトラックレコード的なアセット)少し楽でしょうが、全く新しい言語を「あいうえお」から習うのか、ある程度下地のあるところにより高めていくかの違いでしょうか。いずれにしろ、アセットは大きいです。

仲間が居るということ

これもアセットの一つでしょうが、最初はお金もありませんし、創業者が無給で(01Boosterは3年間無給)なんとかやっている場合が多いでしょう。何かボランティアだったり、株を渡してだったり、相当お金をかけない状態でビジネスを進めないとなりません。もちろん、出資を受けたり融資を受けたりで必ずしも無給でないかも知れませんが。

何かのビジネスを成長させる上で、1人ではできません。ゼロがイチになるとある程度給料を払う余裕もできるので、人をいれることが可能になります。最初はなんでもかんでも創業者が絡んでやっているので、その実労時間でしか物事が進みません。ビジョンや方針はすり合わせる必要がありますが、誰か別の頭脳が考えて行動してくれるのは大きいですね。

例でいえば、複数の離れた地域でセミナーが可能になったりします。誰かはアメリカに行っているが、同時に誰かはアジアに行っている。「同時に何かが並行で進んでいる」こういうことはゼロイチの段階ではなかなか難しいものです。

ゼロからイチとイチから10はどちらが大変かという話というよりは使う能力や考え方が異なります。この点は大きいと思います。

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投稿者
Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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