01Blog / 海外展開で考えるポイント

投稿者:Goda George
2016/08/25 00:00
ベンチャー企業あるいは中小企業の海外展開は不可能ではないですし、日本の市場の未来を考えた時に海外の伸びる市場を取りに行くというのは経営戦略上重要でしょう。当時は安かった労働力を背景に戦前やプラザ合意の前に日系企業が今よりも数多く海外に進出していたこともあり、海外進出が苦手というわけでもありません。ここではいくつか気をつけるポイントをまとめてみます。

進出している企業が少ないという事実はある

歴史をみると過去には海外に大きく日本の企業が海外展開をしていた時代もあります。日本の起業活動率がと類似して、内需の大きさも手伝って「売りに来ていない」というのもあります。

定量や市場の調査は行う

いくら裕福な国でも希少価値の高価な物を少数売るような場合を除き、国民の数以上、購買可能層の数以上には買いません(往々にして貧富の差が日本に比べて大きいので裕福な国でも富裕層は極めて定量的には少ないかも知れない)。そうなると、果たしてどれぐらいの売上があがるのか?は客観的に抑えておく必要があります。

国と国の関係を考えておく

経済的取引よりも、安全保障や政治の方が法規制などには大きく影響します。民間ではなんの問題もなくても何が起こるかは分かりませんので、どんなに上手く行っている事業でも撤退するようなワーストケースを想定したり、どこかの国に事業が集中しないようにリスク分散するような考えも必要ですね。

想定外を考える

日本は比較的綺麗に資本主義が動いており、大手企業は強いものの、いくつかの国で見られるような巨大な財閥のような存在は少なそうです。製品やサービスの良さよりも人的ネットワークで決まる場合も多いです。更に比較的国民の教育が行き届いており、真面目に働く日本に比べて海外ではそうでもありません。オペレーションの世界的にも非常に強い国からそれ以外ということなので「想定外」が発生します。多分、これを予測するのは困難なため、まさか、こんなことが起こるのか?への対応をしないとならないです。

日本から進出する優位点を抑える

ストーリー性の問題です。例えば日本が強いものはというとクラフトマンシップ型(職人型)の製品やサービスがあります。何か日本としての強みがあるかどうかですね。同じ製造でも一般的なコモディティのものでは比較優位の法則でなかなか勝てませんし、工場が日本であれば輸送費もかかります。

日本の製品やサービスを必ずしも世界は手放しで喜ばない

この点では、確かに日本の製品やサービスを好きな海外の方は居ると思います。しかし、全員ではありませんね。寧ろ少数派ぐらいに思っておいたほうが無難だと思います。ちなみに、米国のサービスは日本に入ってきておりますが、例えばITであればGoogleとかAmazonとか。しかし、実際は物凄い数のITサービスが米国にはあるはずですし、必ずしも日本で受けているわけではありません。一般的には国を変えれば受けないことを前提に(文化背景が異なるので)ローカライズをすることを考慮しなければなりません(貧困層向けには梱包も小分けにしたりなど様々なローカライズ要因が入る可能性がある)。

文化的な違いは理解が極めて難しいと理解する

「日本人は日本語を話す日本人と話せない日本人しか居ない」と昔の海外の同僚に言われました。何が言いたいかというと、日本語が話せるか話せないかだけの違いで後は同じだと思っている傾向が強いということですね。私は文化的な違いは理解不可能であると考えて事に当たるのが良いかと思っております。究極には海外でのビジネスは母国の人ではないとできないと考える。この場合、自分や日本人の社員だけで隅々までやるのではなく、留学生を使う、現地の方と上手くやっていける人材を育てるなどの頭の切替が必要だと思います。

いずれにしろ外資規制などがあるので、100%日本人だけでできることも少ないかも知れません。パートナーシップを活かすこと、あるいは、失敗もあるでしょうが、どのようなパートナーが良いかを見極める目を付けて行きましょう。

長期的に資金的な余裕が有るか

多くの海外比率の高い会社が社内の反対を押し切って社長が英断したケースが多いと思います。それは素晴らしいですが、10年単位で赤字を垂れ流してもやっていけるぐらいの資金的余裕、日本でのキャッシュカウ(既に稼げている既存ビジネス)が必要だと思います。

日本で売れている

日本で駄目で海外で成功したビジネスもあります。但し、ある程度資金的余裕(支援者)はあったと思います。日本が駄目だから海外という安易な形はなかなか厳しいと思います。いきなり海外で起業して上手く行っている例もありますので、必ずしもではないのですが。

「気合」と「情熱」があるか

重要なポイントだと思います。これは海外展開に関わらずPDCAを繰り返し、地道に継続するという事が重要かと。そのための気合と情熱が必要ですね。

国内でできることは無いか

海外といっても国内でできることはないでしょうか。留学生も日本に居りますし、その国の展開計画を一緒に考えたり、果たして売れるかどうかを聞いたり、海外向けのメディアを先に一緒に創っておいたりなど日本でもできることは多数あります。

ベンチャー企業や中小企業で海外に果敢に挑戦されるのは素晴らしいことですね。大きな事業を創る場合は海外は避けられない部分ですので、是非、大きく事業を考えて行きましょう。

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投稿者
Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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