起業する上で難しいのはお金を取る行為ではないかと思います。これも会社から起業する場合のことです。
実は本質的にお金を取る経験がない
もちろん、営業ならば請求書を出したことはあるでしょうし、コンビニのレジでお金を貰ったこともあるでしょう。問題は・・・
自分がゼロから創った商品・サービスでお金を取った経験は無い
ということです。これって大きいと思います。
お客さんはこちらの価値を認めて価格を決めてお金を払ってくれるわけではない
この点は最初は「甘え」みたいなものがあると思います。もちろん、様々な人が居ますので「金額言ってよー」なんて人も居ます。但し、基本的に「無料」であればそれで使おうとすると思います。なので、色々やっている内にお客さんがこれぐらいだねという価格を決めて勝手に払ってくれる可能性は低いです。
「これがいくらです(メニューと価格のようなもの)」と「これを買う・買わない」という形にしないとなりませんね。
御社と仕事をしたいので〜
こんな感じで色々情報を取られたりなんて話は良くあるんですが、これも上記の感じで、顧客が勝手に価格を決めてお金は払ってくれませんので、ある時点でこれこれであれば幾らとか、言うしかないですね。この資料を出すのであれば・・とここは、吹けば飛ぶようなベンチャー企業ですから、なんとも心細いんですが、勇気を持って価格を言うしかないですし、喧嘩はしなくていいですが、それでお金を払って貰えないのであれば疎遠になるしかないかと思います。
価格を下げたい気持ちに駆られる
本当に不思議なんですが「自分がゼロから創った製品・サービス」を「自分で売る」時は非常にコストを安くしがちだと思います。妙に高くしているケースもありますが、要は自分の事は「感情」が入ってしまい、フェアバリューを正しく言えないという点があります。まぁ、なんとか売上を上げないと生きていけないとかそんなのもあるんでしょうけどね。
値決めは経営というよく言われる言葉もあるんですが「売り物を決めて」「金額決定し」「お金を請求する」という行為は実は起業仕立ての頃は本当に難しいものだと思います。

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。