01Blog / 「起業の風」きっと世界はこうやって変わっていく

2016.09.11

最近、慶応SFCが主催する第6回TOMODACHIアントレプレナーシップセミナーTokyo Startup Gatewayメンターとして参加し、多くの方とディスカッションしました。少なくない人々が起業に向かうのを見ながら、そこで感じた「変化」をまとめておきます。

企業内で活躍できる条件

企業内で新規事業等で活躍しているケースは無いわけではないです。但し、破壊的イノベーション型の新規事業を企業内で行うことは極めて難しいのも事実です。特に近年のように市場の流れが早く、シリコンバレーのようなところでは物凄い勢いでPDCAを回せるエコシステムとそこにお金を出す環境があります。これが仮にバブルだとしてもその流れは変わらないでしょう。このような環境で社内だけで破壊的イノベーション型の新規事業を興すのは少し難しいと思います。多くの会社が一歩踏み出して、外部のメンターを使う方向に行ってますが、個人的にはそれではまだ足りないと思います。問題は世界には我々しか居ないわけではないということです、このような中で活躍できる条件を考えてみます。私が見るに下記の3つの条件とそこに外部との組わせです。

  • 「ある個人またはチーム」が極めて強い正しい野心と政治力があること。また、外部から情報を取り入れ、比較的客観的に自社の状況をみれていること。
  • 上司、またはある程度の上の人に、破壊的イノベーションを支援する(周りからガードする)人がいること、また、それらの人が外部から学ぶことに理解があること。
  • トップにそれを受け入れる素地があること。変革の熱い意思を持っていること。

起業と企業内では行動の部分に極めて大きな差が出ます。破壊的イノベーションは「アンラーニング」&「ラーニング」ですので、如何にPDCAを回せるかですが、これを既存企業だけでは「価値観」と「プロセス」の関係で難しい(クリステンセンのイノベーションのジレンマから)ので、ここに外部連携が必要になります。この点で、欧米企業を中心に「(破壊的イノベーションを専門に扱う)Startupから学ぶ」という方向に変化がみられる状況であると理解しております。

このような条件の揃った会社も日本に出てきています。一方でそうではない状況もあります。このような中で二つの変化をメンタリングを通じて感じました。

学生のキャリア選択の多様化

これは元々言われていたことですが、必ずしも良い大学を出て、大きな会社に入ることを良しとしない人も増えてきている(全体としてはまだ大企業趣向かも知れないが)気がします。つまり「キャリアの多様性」を求めるということですね。面白いのが就職に「ベンチャー」を選ぶ層です。良いか悪いかはともかく、少なくとも私の就職した1994年とは違い(まぁ、当然ですが。。^^;)ますね。もう一つは学生時代に起業する事を通じて就職を有利にという話です。これは批判もあるんですが、起業における能力開発はかなり大きいのと、スタンフォードなどではよく見られる現象です。後は、就社の概念が薄い人も多いですね(何年か働いたら自分で何かをしたい)。

大企業層の起業への流れ

もう一つが比較的高学歴で名前の通った会社を辞めて起業に向かう層です。中には上述の条件を満たす場合もありますが、こればっかりは運もあります。昔は石の上に何年とか、いつかは変わるという考え方が主流でしたが(私が会社員時代に海外駐在を断ったのを、当時、社外の同世代や上の人から信じられないと言われまたが・・どちらかというと非難的な言い方で)、起業という選択肢を持つことでその状況を打破する人がかなりの数居るということですね。つまり、企業内のキャリア選択も変わりつつあるということです。

様々な地域を回っておりますが、この流れは東京圏で顕著です。元々地域出身の人も多いので、この流れは地域へも伝搬していくでしょう。

コーポレートアクセラレーターを運用して思うのは名だたる大企業やかなりの経歴を持った人間が相当数応募してきている事実です。もちろん、それだけで起業の世界で勝てるわけではありませんが「流れ」というものがあることを感じています。

数年後からみると、世界はきっとこうやって変わっていくのだろうと思います。その流れは確実に始まっています。

・・・