01Blog / 既存企業から創業期のスタートアップに入って気をつけること

投稿者:Goda George
2017/01/19 00:00

IPOをする前の人が会社の体制を整えるために、大手企業の人を大量に雇って、スピードが鈍化、場合により失敗という例があります。IPOとなるとまた違うと思いますが、既存の企業から(特にSeedからEarlyの)スタートアップにジョインした時に考えることをここにまとめておきます。

そもそも当たり前の物が無い

会議室、福利厚生、(支給されている場合は)携帯電話、カード、パソコン、その他なんでも、ステージによりますが基本的にない場合が多いです。ただ、これに関して「こうあるべき!」と言っても創業者やスタートアップ系の仲間は困りますね。「言っている事はわかるけどそれは大手の場合ですね」という感覚です。

無いのが問題ではなく、無いものを(そのときの状況に応じて)一歩一歩創っていく工程です。誰もが通る道を既に通ってしまった会社から来た人がそこにフラストレーションを覚えても厳しいですね。逆に楽しめるかどうかです。前に、「うちの会社は住宅補助があります!」とスタートアップのイベントで発表者が言った時にどよめきが起こりました。

保養所、家族手当、住宅補助、社食!!、などなど、まるで夢のような話です。

給料は極めて低い

これもステージによりますね。場合により、創業者は報酬を取っていないケースもあります。特に大手企業から来たときには「え?」というレベルの給料レンジです。大手企業ならば600万〜1000万の給料というのはそんなに珍しくもないでしょう。となると、月に40万円(年収480万円)、月に50万円(年収600万円)ぐらいまでは落としても良いのではないか?と思います。いやいや、それよりも低いわけです。下手したらこの年収は資金調達額レベル(EquityでもDeptでも)の場合もあります。

よくよく考えれば1000万の年収って(チームの)調達額レベルなわけです。もちろん、安い収入で耐えるべきだという精神論を言いたいわけではなく、そんなもんですね。

後でジョインする方は今(の収入)を気にするという感覚に対し、創業系は未来を見て来年どうなのか?と考える

ここが難しい。給料を上げたくないわけではなく、上げるののテンポが遅れるわけです。しっかりとしたキャッシュ・フローが入ることが見込める(積み上げ型)場合は将来を見通せるが、実際はそれを構築するのに2−3年以上かかります。

スピードがかなり異なる

なんというか、考えてもわからないことを行うので、スタートアップには高速にPDCAを回すのが命です。皆の共通理解を取って(俺は聞いてないなんて人を気にして)、計画を立てて、実行する、という事は難しい。まずは、思いついたら試験する必要があります。これが一般企業とスタートアップで実際に600倍違うのです。となると、自分のテンポそのもの、やり方そのものが異なる事になります。IPOで体制を整えるために、採用した「しっかりとした」企業の人達が「正しく」行ったことがスタートアップを場合により潰してしまうのはなんとも皮肉なものです。

実行が大きく異なる

スタートアップでは新たに市場を創るので実験に近く、行動して結果を出さない限りは次の方向性は出ません。PDCAを回して結果を出す必要があります。何かを見極めて、結論を出し、次の手を打つ必要があります。会社の中ではここはそこまで明確に出さなくても良く(既にある程度予想ができる場合が多いので)、この実行の部分に関しての考え方が大きく異なります(業績や会社の存続を左右する)。この点は「〜べき論」ではなんともならず、評論家では生きていけない世界(創業者はそれを外していくしかない)です。

常識が非常識

ここが難しいところですが、どんな企業にも特徴があります。問題はそれが大人数で共有された世界(会社)から来ると、それが一般の世界からどれぐらいずれているかが分かりにくいのです。自分の常識で話をしたら相手がキョトンとするイメージですね。「昔はこうだったのに・・」「前の会社では・・」というのは新しいチームにとって学びかも知れませんが、そもそも「違う」ので毒にも薬にもなります。

「自分の考えは必ずシフトしている」と自分に言い聞かせる必要があります。

それでも創業に関わるのは魅力的

それでも創業に関わるのは魅力的だと思います。何もないキャンパスに絵を描くことは(それを苦手とする人も多いでしょうが)、最高にエキサイティングです。問題は上記のネガティブ面と比較してどうか?でしょうか。

人生は一度っきり。

必死に生きてこそ、その生涯は光を放つ。by NOBUNAGA ODA
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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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