01Blog / 「手段(How to)」ではなく「経営観(Why)」がないと勝てない

投稿者:Goda George
2017/04/07 00:00

多くの会社内を含め事業を興そうという人にお会いします。これは特にその支援側でもOKですが。もしかしたら、キリスト教のように更に上の存在がいなくて、組織のリーダーを絶対視してしまう人が生じやすい日本の文化にも根ざすのかも知れませんが「何故それをするか?」というものではなく、「手段」の話が圧倒的に多いです。いわゆる・・

リベラルアーツ不在

というものですね。かく言う私も大学や社会人(理系)なので、このリベラルアーツをきっと効率が悪い!何の意味か分からない!と過去には切り捨てた気がします。しかし、一方、起業の世界に来ると。

まさに起業の世界はリベラルアーツの塊

ということを思い知ります。もちろん、私はそういう学問を知らなかった(リベラルアーツなる言葉も本当にここ数年で覚えたものです)のですが「実践的に考えざるを得ない」という状況になるのです。リベラルアーツに関してここここを参考に。

手段の話が圧倒的多数!?概念がとにかく上がらない

まるで見えないガラスの天井がその人の頭の直ぐ上にある気がします。そんな感じです。とにかく、ひたすら手段(How to)を話す人が圧倒的に多いですね。「では、それによって世界をどうしたいのか?」「会社はなんのために存在するのか?」と言われると・・・少し考えるんですが、また手段の話に落ちます。よって、メンター側は何回もこの概念論を聞くことになります(概念を上げるために努力する)。

概念が圧倒的に高い世界の競合

ここに例がありますが、フランスの試験問題(理系!)です。フランスは階層社会的な感じですので、全員ではないでしょうが、少なくとも起業家・事業家もこういう教育を受けてくるわけです。

テーマ1:どんな芸術作品も何らかの意味を持つか?(Une oeuvre d'art a-t-elle toujours un sens ?)
テーマ2:政治は真実の要求を免れ得るか?(La politique échappe-t-elle à une exigence de vérité ?)

ぎょえー。ですね。こういう概念の高い(物事の本質を考える)相手と対峙するわけです。「「ニーズ」に死を:トランプ・マケドニア・DeNAと2017年のメディアについて」にあるようにこういう相手は「過去の実績」「市場データ/ニーズ」をふっ飛ばして真のプロダクトアウトで攻めてくるわけです(ニーズを聞く・調べることが無意味、自信が無い証拠という高いレイヤー)。問題は上記の試験は「理系」ということですね。教育が悪い!といったところで直ぐには変わりません(過去を責めても何も変わらない)。

起業やスタートアップ入りを勧める理由はここにある。今、日本に足りない能力を必死で鍛えられる(鍛えざるを得ない)から。

リベラルアーツ(=自由になるための学問)の場合、必ず、何かの枠の外で思考する必要(傾向)があると思います。既に出来上がった既存企業(ある概念が固定化されている)では難しいのです。少なくとも今から何かを成し遂げるスタートアップではないと。

「経営感」が重要

なかなか良いエントリーがありました。「経営が「方法論」を得て失ったものは何か」です。経営観が重要というものですね。既に枠の決まった(日本国内をみれば縮小傾向の)中で「戦う能力」を鍛えたが「なぜ(Why?)」という根本的なことを考える力が矮小化しているということですね。

そんな疑問を持つならまずは仕事取ってこい!と言われるが、それが正しいか?

考えながら動くのが良いと思うので、考えて止まっているのは避けるとしても「方法論」に偏ってしまい、大局を見失っているのはそうでしょうし、少なくとも会社内で最初の頃に「それを考える重要性」なんてまず学ばないですね。。「手段」や「効率化」は学ぶでしょうが。

確かに全員が大局で考えるべきというのは無理があるかも知れませんが、少なくともイノベーションを興したい人には重要だと思います。

なぜなら、世界を変えるのですから。

イノベーションを定義されたシュンペーターさんのこの言葉は好きです。

馬車をいくら並べても汽車にはならない

ただ、多くの事業が馬車の性能を上げていないでしょうか。これはそれしか見えないというのもあるし、変化を恐れる心もあるでしょう。しかし、汽車を創るためには俯瞰や大局感、そもそも、何故なのか?といったリベラルアーツ・経営観が必要になります。これをなかなか会社の方に説明するのは(本質的には!)難しいのも事実です。なので、一回カオスを味わって欲しいというのはあります。

なぜ、起業やスタートアップに入るのか?それは経営感を自ら描き、世界をよい方向に変えるためである。

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Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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