【01Blog】エコシステムそのものを創る米国のアクセラレータモデルの破壊力「オープンイノベーションの現場/16」

2014.06.16

企業+アクセラレータ(インキュベータ)+Startupという組み合わせが米国でも騒がれておりますが、その草分け的アクセラレータであるTechStarsに関しては過去にまとめました。 このTechStars関連でディズニーのアクセラレータプログラムがなかなかすごい。Pixer、abc、スポーツチャネルのESPN、アメコミのMarvelLucasFilmという布陣。これはディズニー一社がどうのというレベルではなく、米国のエンタメ系のエコシステムそのものをStartupとのコラボで盛り上げてしまおうというものです。企業群+アクセラレータ(この場合TechStars)によるプログラム+Startup陣の組み合わせは凄まじい破壊力を予測させてくれます。これらの企業群はもちろんイノベーティブでしょうが、当然ながら社内調整が入るので、非常に尖ったり、最先端のことはStartupにやらせてしまった方が早い、かつ、自分らで文化が異なるStartupのマネージなどの無駄なことはせずに、専門のアクセラレータに任せるという黄金率がまさに「やってしまおうぜ!」という米国らしいですし、これが新規事業をいまだに生み続ける米国の強さでしょう。個人的に問題に思うのは、いくらクリエイティブの能力が日本が高かったとしても、個別企業で立ち向かってはこのエコシステムの上で踊ることしかできないでしょう。なにも直接対決はしないまでも、全て、先方でスペックを決められてしまいます。ここが社内お抱え型で個別主義が極めて強い日系の最大の問題点でしょう。今までは積み上げた技術で勝ててきましたが、その業界のエコシステムの総力戦で勝てるとはとても思えないです。ディズニーアクセラレータプログラムのメンター陣もこれまたすごい。もちろん全員がWorkするわけではないでしょうが、まさに業界の目利き人材、そして、エコシステムへのStartupの取り込みを図れる人材プールと言えます。 個人的に興味が有るのは、このプログラムの中では謳われておりませんが、01Boosterでは代表が教育系出身のため、教育が強いのですが、この団体がEducation分野に舵を切ってきたらいったいどうなるのだろうか?ということです。 さて、ここまで大規模ではないですが、同じTechStarsのコラボとして教育大手のkaplan社とのアクセラレータプログラムがあります。これはEdtechに特化したものです。現在は2014年のプログラムの募集終了した段階ですので、2014年の参加者は分かりませんが、2013年に関してまとめてみます。 Degreed これは、大学のコースといったレベルではなく、色々なところから自分自身を軸に学んだことを組み立てて行くというモデルです。いわば、大学のコースのアグリゲータというところでしょう。 Flinja これは米国ならではのイメージが有りますが、学生インターンのパートタイムのマーケットプレイスと、学生側からは経験をレジメに付け加えられるという利点があります。つまり、インターンによる経験とレジメを一括で得られるサービスとでも言えましょう。 mathify 数学のようなあまりおもしろくも無さそうな教育をもっとインターラクティブでゲーム要素的なコンテンツに変換するようなサービスです。 MentorMob 学生(習いたい人)向けに良いコースを紹介するメンターコミュニティサービスです。 Modern Guild これもチュータのネットワークですが、MentorMobが良いコースに対して、その産業のプロフェッショナルが高校のころからその個人をコーチする形です。 Newsela 様々なレベルの人が共に学び合うコースを提供 その他、オープンエデュケーションのコンテンツへのアクセスができるpanopen、オンラインコースのサーチエンジンであるRANKU、軍役に出ていた人向けの教育サービスであるUvize、オンラインテスト向けのサービスVerificientなどがあります。 流石のkaplan社もこれだけの新規事業を社内で興すのは難しい(人材面も含めて)ので、良い取組だと思います。

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