【01Blog】大企業とベンチャーの協業は可能なのか?

2013.11.20

先日のEdTechのイベントは盛り上がった。発表者も素晴らしかったが大きな要因の一つは教育界のガリバーであるベネッセの森安さんがご好意で参加頂けたことが大きかったであろう。 コマ大戦という取り組みがある。中小の製造業が有志でコマを作り合い競う取組である。このコマ大戦は会社内の玄人と新人、また、会社、地域を超えたネットワーキングを活性化するという副産物的な効果も産んでいる。私はコマ大戦の発展のためのディスカッションメンバーでもある。日立でコマ大戦主催者とのディスカッションも11月初旬に実施した。その中で大手とのコラボの話が出た。大手企業も厳しい国内事情にさらされて中小製造との関係解消などの色々ドラスティックなことも実施されると共に社内のリストラも非常に進めたため、現状はなかなか大企業内での技術伝承や新規事業開発に支障をきたしている部分も生じてきている。 私も大企業からベンチャー的な立場になって今は双方の気持ちが分かるようになってきた。それぞれに理屈があり、お互いに理解し合うのは難しい部分も多い。最近は大手が積極的にStartupと絡んでいるようなことも進んでいるが、実情はなかなかうまく行っていないかも知れない。Startupはまずはビジネスをたちあげたいわけであるが、大企業は既に立ち上がっているので、そもそもそこまで新しいビジネスを興したい人たちばかりではないであろう。 私だけかも知れないが、なかなか大企業にてゼロベースでビジネスを考える機会は少ない。一方、ベンチャーなら四六時中そんなことばかり考えている。そうすると、大企業の人からみるとよくそんなにアイデアがポンポン出てくるのだろう?と思うこともあるであろう。スピード感も違う。バーンレートという考え方は企業ではあまり持たないのでこの点は差が出るであろう。 簡単に言えば、大企業とベンチャーまたは中小企業がうまくやっていくというのは難しいと思う。ただ、こんな世界が来たらとは思う。大企業の人がどうしても変革的な要素の大きな大企業での新規事業開発ではスピードが出ないのでスピンオフして新規事業の開発を行う。もちろん、ゆっくりもできるのであるが、競争環境があり、戦うのが海外であれば相手は極端に早い。一般的にStartupの能力開発スピードは早い。苦労もするであろうがその人となりの市場価値も上がっているはずである。本来ならば失敗したとしても給料が上がって再就職もできるはずである。 そんな未来が来ないであろうか。大企業とStartupだけ、あるいは、スピンオフだけでは難しいが、01Boosterのようなプラットフォーム(媒体・媒介・触媒)がその役目を果たせるのではないか?とも期待している。いずれにしろ、最近になって大企業がStartupと近づいている、あるいは、会社を出てなんとかという機運を感じていることだけは事実である。

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