【01Blog】事業創造・新規事業のインセンティブ設計を再考しよう!

2015.03.15

なぜインセンティブ設計が無いのに事業創造・新規事業を興すことができるのであろうか? 毎日様々な方々とディスカッションしていると一つ懸念されるのが日系企業の場合、日本人の真面目な部分に新規事業を頼りすぎていないか?ということです。簡単に言えばインセンティブ設計があまりされていないんです。インセンティブ設計は何もお金で言うところの報酬設計だけではありません。 IMG_0142 つまり、新規事業をやってもやらなくても前後であまり変化が無いんです。個人のWill(信念)に頼り過ぎではないかと。 私がスタートアップというかベンチャーというか、あるいはアクセラレーターの世界に来て思うのは日本人も極めてインセンティブに応じて動くということです。特にベンチャーの世界ではそれが色濃く出ますし、その視点で会社員を見ても同じように見えます。さて、インセンティブとはなんなのか? A thing that motivates or encourages someone to do something by Oxford 罪や罰などのFear(ネガティブ的影響)またはReward(報酬など)で人が何かを実施するのにモチベート・勇気づけるというところでしょうか。ポジティブでもネガティブなものでも人を動かすということですね。 例えば、日本の起業活動率は低いです。では、起業するだけのインセンティブがあるか?と言われると手厚い大手企業の福利厚生を捨ててまで起業するメリットはちょっと薄いと思います。一方で、カリフォルニアのように成功者が多いところでは起業しない方がリスクですからモチベートされますね。 IMG_9901 インセンティブが全ての決定要因ではないかも知れませんが、企業が新規事業を興せない理由の一つ(人材が限られることや同じ情報にさらされるので大きな事業が起きにくいなどはあるとしても)にはインセンティブの要素は大きいと思います。様々な反対を押し切って、時には出世の道まで捨ててまで新規事業にトライするのはいわゆる「変人」をまたねばならず、言われてやるのと、ケツに火がついて事業創造するベンチャー企業ではいくら企業側の人材が良くても勝負は見えたようなものです。 このエントリーが面白いです。
私たちの行動を意識づけるには、3つの要素があると聞いています。 1.即効性 × 2.確実性 × 3.インセンティブ
即効性は「直ぐにダイエットの効果が出る!」という類で、確実性は「確実に痩せられる」。インセンティブは「人気がでる」とでもしましょうか。この場合、新規事業や事業創造はベンチャー並みのスピードでも2年かかるので「即効性」に乏しく、成功確率はベンチャー企業でもいいとこ1/10で10%-30%とすると「確実性」も低く、その上に「インセンティブ」設計が今ひとつでは流石に厳しいです。 逆にポジティブサイドのインセンティブが設計されておらず、Fear(ネガティブ)側のインセンティブ設計だけとしたら流石に厳しい。自分たちのために働く事を知っている起業家も惹きつけられません。会社員であれば当然ながら何もしない(大きな失敗をしない、あるいはやったことだけにしてしまう)ことに最大のインセンティブが働くのは必然かと。 今一度、インセンティブ設計を考慮して、それでも真に事業を興したい、行動したいと思う人が居るのであれば否定や批判ではなくサポートや賞賛で迎えるべきだと思うのです。日本は起業活動率だけとっても世界最低レベルであり、もう、ネガティブ側のインセンティブが働くレベルに達しているのですから。 新規事業・事業創造にダイレクトに直結するインセンティブ設計になっているか?を今一度真剣に考える時が来た気がします。

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