ピーターの法則(Peter Principle)はローレンス・J・ピーターによって提唱された理論です。
「能力主義の階層社会では、人間は能力の極限まで出世する。したがって、有能な平構成員は、無能な中間管理職になる。」ということで、組織はやがて無能な人で埋め尽くされるということです(Wiki)。ちょっと耳の痛い話ですが、これはスタートアップでも言えそうです。ちょっと出世とは異なりますが、企業の成長過程に応じて求められる能力が異なることにも起因します。
80対20の法則で有名なパレートの法則とも組み合わされそうですね(パレートの法則の例)。特に余裕の無いスタートアップではピーターの法則は非常にありがたくないですね。
さて、ピーターの法則を起業に関して考えると、まずは、能力以上には人は良くならないということで、起業家も最初に思い描く構想以上(つまり器以上)には大きな会社は創れない事が上げられますね。さて、このエントリーにピーターの法則にスタートアップが陥らないために必要な事が書いてあります。ちょっと抜き出してみます。
1. パフォーマンスに加えてコミュニケーションスキルの高い人材を
スタートアップは少数人数なので、一つの仕事に多くて1名(マーケティングに1名とか)となるケースが多く、お互いにコミュニケーションし合う相乗効果でチームを盛り上げていく必要がある。
2. 現在のスキルと学ぶ能力
人は簡単には変わらないので、新しいことを学ぼうとする能力のない人はNG。
3. あくまで結果。努力を賞賛しない
これは採用時に努力について語る人がいたら、直ぐに結果に関して話題を変えて、結果が思わしくないなら直ぐに採用は見送る。
4. Up or Outの成長意識を常に
そのポジションで人が淀むのを防止するために常に成長を目指す。チャレンジさせる。
5. 仕事もマネージメントもできるように
大企業の経営層はマネージメントだけで仕事(実際のタスク)をすることを忘れてしまう。スタートアップはこれでは困るので、両方の能力(視点)を常に意識。実務したいだけ、マネージメントしたいだけの人はNG。
6. メンタリングと自己学習の機会を
余裕は無いかも知れないが、自社メンバーにメンタリングと、研修の機会を。
スタートアップでは淀んでしまったら負けるので、ここはあくまで「成長」というラーニングの機会をチーム全体に与え続ける事が望まれるともいえますね。

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。