01Blog / 正しい無責任創業者のすゝめ

2017.01.14

創業者というのは特別なものだと思います。「凄い」というのではなく、いわば、創業者と社内で昇格した社長とは違うということですね。ある意味神聖なものでもありますし。

問題は起業して、ある程度ゼロがイチになってきて、これをイチからジュウ(10)にしていくときにどうするか?です。

個人プレーでなんとかできるのは10億止まり

昔、とあるゲーム会社の社長とお話した時に、前の会社で自分が末端までマイクロマネージメントしたことに対しての反省の弁を聞きました。

なんでも自分でコントロールしようとして最終的には自分で会社を去った

結局のところ個人プレーでなんとかできるのは10億ぐらいまでの規模の会社ではないでしょうか。それでも凄いのですが結局はそれ以上増えない気がします。このためには、自分が関わらなくても事業が増殖する仕組みを創らなければなりません。

創業者とそれ以外では想いも思考の方向も大きく異る

創業者は「会社=自分」のようなものです。一方、後でジョインした人も愛社精神があるでしょうが、なんというか、種類が違うというイメージでしょうか。

創業者からみると「もっと考えて欲しい」とか「指示待ちは困る」など様々な悩みを抱えますが、カオスを超えてゼロイチを創った人と、それ以外ではちょっと違うのです。創業者自身がそのような状態を創っている可能性があります。

思考の深さが違う

ということですね。問題は必ずしも深い思考が良い結果を産むわけではなく、要は種類が変わるわけです。創業者と後でジョインする人とは。

ワザと無責任にしている

問題は創業者は(人にもよるでしょうが)営業も自分が行ったほうが取れるし、自分が仕事をした方が早いです。これは会社の上司と部下の関係でもよくありますが、そこにもっと当初差が大きい状態です。誰だってセミナーならば創業者の話を聞きたいし(話がどうか?よりも誰が話しているか)、創業者が打合せに来なければ力を抜いたと思われます(特に日本では起業系は一般に創業者でもかなり舐められるので、ベンチャーの社員なら尚更ですかね・・)。

カオスの中で無理やり決めて来たわけですから、ある意味、神がかった判断になりますので、社内での意見も大きい。問題はこれでは事業は増殖しないということです。前に一緒にやっていたCEOが「なんだよ無責任だ!」とか「全然リーダシップがない!」とか色々社内でボロカス言われていましたが、その時に・・・

ワザとダメ社長のフリをしているんですよね。そうしないとみんな考えないんで。。

と言っていたのを思い出します。その時は、なんだと、言い訳だろう?と思ってましたが、今はなんとなくその意味が分かります。創業者は影響力が強いのでこの按配が難しいのです。

無責任創業者のすゝめ

個人商店から事業会社に変わるときにはどうしても権限委譲が必要になります。問題は(良く一般の会社などで見られるような)権限を渡したくないという利権的なものではなく、それを渡すと会社が潰れてしまうリスクがあるという点です(しかも相当!)。

また、権限委譲をすると「無責任」「リーダシップがない」という社内批判にも晒されます。これはなかなか創業者にならないとわからない感覚ですが、これを凄く心配しながらも無責任化するという技をある時点で実施する必要があります。

全てが短期的に落ちる(質・社外の反応)ことを片目で見ながらも「正しい無責任化」することが中期的には個人商店から会社の事業化のためには必ず必要になりますね。

・・・