年功序列は終身雇用ではない、その逆もしかり、日本の歴史文化でもない

2018.08.31

年功序列、終身雇用といえば、今はイメージはあまり良くないのが現実ではないでしょうか。終身雇用はわかりませんが、年功序列に関しては大手に16年いた私としてはネガティブなイメージが強いところです。そもそもこれは日本に特徴的(歴史的)なのでしょうか?

多分、ちょっと違うと思うのです。

終身雇用はいつからのシステムか

第二次大戦前・戦中に原型はあったが、1950−1960年以降に大手企業を中心に慣例化し、1970年代に解雇に規制が明確化し、定着した。というのが正しいところではないでしょうか。簡単にいうと・・・

  • 終身雇用は歴史的には50−70年
  • 大手企業の話

というところです。それ以前は雇用の流動性は普通に高かったということですね。1958年ごろにこの言葉はジェイムズ・アベグレンの研究で披露されたというところでしょうか(参考)。簡単にいえば、少なくとも日本の文化に根ざすものではないということですね(普及した要因にはタテ社会構造等の文化的背景は貢献したかも知れませんが)。

年功序列はいつからのシステムか

日本に関してはこれも戦後のシステムなようです。

年功序列と終身雇用は日本だけのものか?

まず、年功序列と終身雇用はそもそも同じでは無さそうです。補完関係にはありそうですが。

次に、特に 年功序列は日本に固有というわけでもありませんね。「Lockstep Salaries Are Making A Comeback」にもありますね。ただ、日本の経済停滞の攻撃材料にはなりそうです(わかりやすいスケープゴートとして)。「就職、絶望期―「若者はかわいそう」論の失敗」にも詳しいですね。「日本人が誤解している「欧米型雇用の本質」」あたりも。

では、何が課題なのでしょうか?

我々は流布されている常識(?)を疑わないとなりませんね

・・・