01Blog / 世界的に進む出版業界でのオープンイノベーション「Mature Innovation」

投稿者:Goda George
2015/12/30 00:00

日本国内での出版物の販売額の落ち込みが報じられております。これは国内に限った話ではないでしょう。先進国を中心にこの出版の業界に大きな変化の波が押し寄せている事は間違いないと思います。

学研さんが国内初の2期目となるコーポレートアクセラレーターの運用を「出版」を一つの主軸にして開始しました。海外7カ国からを含む、123のプランで現在は選抜が終了、6チームがアクセラレータープログラムに進んでいます。

世間では硬いと思われる傾向のある「あの学研さんが良くやった」という声はあるものの、実はこれは必然ではなかったのか?と思えるのです。

世界の出版社ランキングがあります。この会社を一つ一つ見ていくとほぼ全ての会社がベンチャー企業(スタートアップ)を始めとする外部リソースを活用してこの成熟した市場におけるイノベーションに果敢に挑戦してることがわかります。

まずはオランダの出版協会の「Renew the Book」。これは出版協会を上げて新しい本(出版)の形をスタートアップと共に創っていこうという取組です。

出版社ランキング1位のピアソンは教育系によっておりますが、Catalysit Acceleratorを実施。2位のリードエルゼアは Reed Elsevier Venturesとして様々なメディアに投資、また、Seed CampのようなSeed/Pre-Seed系のインキュベーター・投資系に出資をしたりもしています。ロイターはLabを創ってData Scienceを始めとした新しい技術の開発に力を入れておりますね。出版社ランキングの下位まで調べましたが、ほぼ、全てのところがコーポレートアクセラレーターを始めとする何がしかのオープンイノベーション活動をしております。

出版流通大手の米INGRAMは「1440 Accelerator」を運用。圧巻はGoogleでしょうか。Europeのジャーナリズム業界に200億円です。The Digital News Initiativeを立上げています。

ではアジアはどうなのか?というと、発展途上国はまだ紙の需要は普通に伸びていますが、先進国は別です。シンガポール最大手のメディアSphはsph Plug & Playでスタートアップを支援。2番手のMedia Corpは名前も素晴らしい「Mediapreneur」としてインキュベーションプログラムを立ち上げています。

Media Corp "Mediapreneur"

途上国では紙の世界はまだ伸びているでしょう。先進国では出版の世界に限らず、飽和している市場はたくさんあります。では、このような市場にチャンスは無いのでしょうか?私はそうは思いません。まさに、「Mature Innovation」という極めて巨大なチャンスが眠っているからです。デコンストラクションの世界では出版業界はまさに大きなチャンスの時期を迎えていると思います。

一つ、面白いのは欧米がこのような出版・メディア系のオープンイノベーションを始めたのは10年前といったレベルではなく、数年前、または今年だったりします。国内で学研さんが出版をターゲットに新しいイノベーションを創るため、スタートアップとの事業共創を始めたのは、偶然ではなく、まさに必然であり、世界の流れに並んだといえると思っています。

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投稿者
Goda George
共同代表 取締役:01Booster Inc.

MBA、理工学修士。東芝の重電系研究所・設計を経て、同社でSwedenの家電大手とのアライアンス、中国やタイなどでのオフショア製造による白物家電の商品企画を実施。村田製作所にて、北米向け技術営業、Motorolaの全世界通信デバイス技術営業を実施、その後、同社の通信分野のコーポレートマーケティングにて全社戦略に携わる。スマートフォン広告のNobot社に参画、同社Marketing Directorとして主に海外展開、イベント、マーケティングを指揮、KDDIグループによるバイアウト後には、M&Aの調整を行い、海外戦略部部長としてKDDIグループ子会社の海外展開計画を策定、2012年3月末にて退社。現在は01Boosterにて事業創造アクセラレータを運用すると共にアジアにおけるグローバルインキュベーションプラットフォーム構築を目指す。

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