01Blog / シリコンバレーから見る起業のエコシステムの作り方

2016.03.12

あなたが知らないシリコンバレーの歴史というブログがあります。とても参考になります。シリコンバレー自体はそもそも産業が無かったところにターマン教授がスタンフォードに来て、軍関係の受注をベースにという発端です。第二次世界大戦、冷戦などの事情もあったと思います。さて、この流れを見て、日本あるいは地域にどう応用できるでしょうか。

1. 結局は個人 / 組織ではなく個人にイノベーションは宿る

シリコンバレーの父とも言われるターマン教授がスタンフォードへの研究費の割当が低いので、電子工学を発展させるということでハーバード(当時軍事研究の重要な大学であった)から人を引き抜きます。その後、様々なユニークな取組で民生を活性化します。

2. 常識を覆す / 常識は人が勝手に創ったもの

ターマン教授が大学院生が自由に大学の研究を持ちだして事業化してよいとしました。これは英断ともいえるでしょう。研究を守るのではなく、どんどん学生に技術を開放するのです。それによってベンチャー企業の「城下町」ができます。3.のようにアカデミアで出世するには社会に出るという今の日本にも見習うべき試みが半世紀以上も前に実施されていたのです。

3. 関係者として連携させる / 人間を介したネットワーク

更に、教授陣をベンチャー企業の役員をさせて「関係者」にします。教授陣はベンチャー企業の成長に対してこれでインテンシファイされますね。

4. 正しいリストラ / 優秀な人を集めて市場に放つ

ショックレーが半導体の研究所を創ります。ここには非常に優秀な人が集まったのでしょう。しかし、ショックレーとそりが合わなかった人たちが研究所を辞めています。後にフェアチャイルド社やインテルを創業するメンバーがここから出てきます。

5. インセンティブ / 危機感 or-and 金銭的

インセンティブ設計は重要です。冷戦中は安全保障のためですが、その後は「利益」というインセンティブを求めたベンチャーが生まれます。ここで、東海岸が最初のようですが、ベンチャーキャピタルが生まれます。75%を政府が投資に対して上乗せして出すという取組も起こり、ベンチャーキャピタルが勃興します。この背景にはソ連との科学技術の競走があります。危機感とインセンティブ。この2つのハーモニーですね。

まとめ

さて、どの項目も当たり前といえば当たり前です。では、どうやったら日本でもシリコンバレーはともかく、起業が勃興するのでしょうか。

結局は正しい野心を持った個人が発端です。合議主義は事業創造の世界では必ずしも上手く働かない。「常識」や「空気」に支配されないこと。地域や日本で閉じないこと。閉じれば周りの人間関係に頭が寡占され、外部への危機感もなくなります。経済が冷えたとはいえ、途上国は未だに強力ですし、多くの先進国はイノベーションにシノギを削っています。

起業のできる人は組織にとどまってはいけない。起業に向いましょう。

インセンティブ設計も重要です。日本の置かれた状況を国際的な関係で考えれば正直かなりの危機的状況の中に居るともいえるでしょう。その中で、毎日の生活を繰り返すだけでは世界は変わりません。是非、未来の子どもたちのために事業創造へ正しい意思決定をしていきましょう!

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